【連載】知っておきたい放射線の豆知識 放射化学者 佐野博敏
(12)サーベイメーター
放射線計測は放射線が単位時間に何個観測されるかが基本で、放射線の検出特性に応じてサーベイメーターの種類や測定対象、目的が異なる。
フクシマ原発事故による放射能汚染後、現況ではセシウム137の放射線が大部分であるから、最近用いられる機器はガイガーカウンターやシンチレーションカウンターが多い。
ガイガーカウンターは、入射放射線(当たった放射線)が検出器内の気体を電離させれば、入射放射線のエネルギーの大小によらず1パルスとして計測する装置で、β線測定に適するがγ線も計測できる。ベクレルに比例する毎分の計数測定が基本で、検査対象表面近くのβ線計測に適しているが、γ線のみの計測には計測器の窓をアルミ板で遮りβ線を遮蔽すれば区別して計測できる。
シンチレーションカウンターは、γ線で蛍光物質が光る現象を利用し、その光る度数を計測する。多くはセシウム137換算の線量(Sv/h 単位:シーベルト・毎時)表示がある。γ線エネルギーを解析し各核種のγ線量を知る高級品もある。
半導体サーベイメーターは、放射線を半導体によるパルスで計測し、α線用、γ線用がある。
電離箱サーベイメーターは前回述べたポケット線量計の電子計測器で、外部線量の評価に有効である。
これらは、それぞれの特徴を生かし、各機器の説明書による操作の遵守、信頼できる製品の使用、標準器による計測基準の校正も重要だ。