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【連載】東友会の歴史を学ぶ 先人たちと目指す未来2

『沈黙から行動へ 東京のヒバクシャ30年のあゆみ』(伊東壯執筆)から

第1回 「東友会30年史」と地区の会の位置づけ

 この連載は、先人が綴った東友会の歴史を、いまは絶版となっている東友会の年史から抜粋・引用し、「東友」紙面に合わせて整理・再構成したものです。「東友」476号(2024年6月)までは、「首都の被爆者運動史 東友会25年のあゆみ」(以下「東友会25年史」)の内容を2年間24回にわたって掲載しました。
 477号からは、「沈黙から行動へ 東京のヒバクシャ30年のあゆみ」(以下「東友会30年史」)を底本に、その後の東友会の歩みをこれまでと同じように拾い上げていきますが、今回はその前に「東友会30年史」そのものについて紹介しておきます。

 「東友会30年史」は、東友会が初の年史として出版した「東友会25年史」の第2弾にあたるものです。「東友会25年史」で、前史を含めて東友会結成から25年間の通史を取り上げましたが、その後の5年間の歴史を追加するだけでは年史として薄っぺらなものになるので、「東友会30年史」では2部構成をとり、通史としての追加5年分は第2部で扱い、第1部では「地域でのつながりを求めて―地区の会の歩み―」という章をたてています。そして当時あった地区の会がそれぞれ会の歩みを綴っているのが特徴です。

 掲載されているのは次の30地区です。

  • 千代田区・千代田乃会
  • 港区・港友会
  • 新宿区・新宿新和会
  • 台東区・台友会
  • 墨田区・墨田折鶴会
  • 江東区・江東江友会
  • 品川区・品川被爆者の会
  • 目黒区・萠友会
  • 大田区・大友会
  • 世田谷区・世田谷同友会
  • 中野区・長広会
  • 杉並区・杉並光友会
  • 豊島区・豊友会
  • 北区・双友会
  • 板橋区・板橋みのり会
  • 練馬区・被爆者練馬の会
  • 足立区・足友会
  • 葛飾区・葛友会
  • 江戸川区・江戸川親江会
  • 八王子市・八六九会
  • 三鷹市・三友会
  • 府中市・府中会
  • 昭島市・昭島しあわせ会
  • 調布市・調友会
  • 町田市・町友会
  • 日野市・日友会
  • 東村山市・東村山の会
  • 清瀬市・清瀬市原子爆弾被爆者の会
  • 多摩市・多摩やまばと会
  • 国分寺市・国分会

 東京における地区の会は、複数の地区で一つの会を作ったり、いったんは結成されたが休会・解散したり、その後また再建されたり、名称を変更したりと、様ざまな変遷があります。「東友会30年史」が発行された時期(1988年)には、39の地区の会があったことが同誌に掲載されている資料から明らかですが、実際に地区の会の歩みの原稿や写真をそろえることができたのは上記の30会でした。
 ひとつの自治体をベースに被爆者の会を維持し続けることは、多大な労力を必要とすることがうかがえます。本連載では通史部分を取り扱いますが、東友会の組織方針として地区の会が明確に位置づけられていたことを忘れないよう、最初に強調しておきます。

「沈黙から行動へ」の題字の下に、「――東京のヒバクシャ 30年のあゆみ――」と印字された表紙。その下には「3」と「0」をかたどった千羽鶴のイラストがある。一番下には、「東京都原爆被害者団体協議会(東友会)編」と印字されている。
「沈黙から行動へ 東京のヒバクシャ30年のあゆみ」表紙