被爆者相談所および法人事務所
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ゆるがぬ思い ふたたび被爆者をつくるな、核兵器なくせ、国の償いを

 被爆70年の2015年末、東友会に二つのお知らせがありました。一つは、東友会が1971年9月、広島市平和公園内に4本のイチョウを植樹していたことでした。手紙と当時の中国新聞のコピーを送ってくれたのは、恵実勇作さん。広島平和記念資料館のピースボランティアとして活動している人でした。
 当時の新聞「東友」を探すと、東友会はこの時期、神奈川県など関東甲信越ブロックの各県被団協と慰霊墓参団を派遣していました。しかし、当時の墓参団の団長も東友会の代表理事、事務局長などの役員もすべて故人となり、経緯を確かめる方法はありませんでした。
 恵実さんのご協力で、植樹されたのは、当時、東友会の原爆犠牲者慰霊碑があった品川・東海寺と神奈川県の鎌倉・東慶寺から寄贈を受けたイチョウの苗木4本ずつだったこと、植樹されている場所は原爆供養塔のすぐ東で、イチョウはいまも元気に生育していることがわかりました。

公園内の写真。写っている3本のイチョウの木は太さ40センチ、高さ10メートルほどにもなっている。イチョウの木のあいだにはサクラやケヤキとおぼしき木が植えられている。
広島市平和公園に植樹した東友会と神奈川原爆被災者の会のイチョウのうちの3本。45年間でみごとな大樹に生育している。左奥に原爆供養塔。

 もう一つは、広島市平和公園の原爆死没者慰霊碑の碑文を撰文し揮毫した雑賀忠義さん(故人・当時広島大学教授・被爆者)の額装された書を、東友会に寄贈したいとの被爆二世・土谷洋子さんのお話。土谷さんは2015年11月に豊島区役所で開いた東友会の原爆展を参観していました。
 この書は慰霊碑が建立された1952年当時、広島市役所に勤めていた祖父・田窪眞吾さんが大切にしていたもの。書の大きさは縦95センチ・横29センチ。文字も慰霊碑と同文「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」。一目で慰霊碑の碑文と同じ人の筆であることがわかります。
 東友会は、この書を東友会のある平和と労働センターに寄贈し、会館内に掲示してもらうよう要請しています。

「安らかに眠って下さい(改行)過ちは(改行)繰返しませぬから」の書。3行で書かれている。
雑賀忠義氏が揮毫した広島の原爆犠牲者慰霊碑と同文の書。右下に原爆ドームが描かれている