2016年(被爆71年)を迎えるにあたって
一般社団法人東友会代表理事 大岩孝平
ふたたび被爆者をつくるな。原子爆弾によって地獄の苦しみを味わい、数十万人の親、子ども、友人、知人の命を奪われた原爆被害者の最大の願いです。
東友会は昨年(2015年)、被爆70年事業として5つの大きな取り組みを成功させました。詳しい報告は別掲記事をご覧いただくとして、その一つ「被爆者から世界へのことづて」に寄せられた被爆者の思いをどう生かしていくかについては、引き続き検討してまいります。
近年の日本政府の動きには、戦前を連想させるものがあり、私たち被爆者には見逃すことができません。
2014年7月の集団的自衛権の容認にはじまり、2015年9月の安保関連法(いわゆる「戦争法」)の強行採決、武器輸出三原則の撤廃、12月にはインドと原子力協定の合意をおこない原発輸出への新たな道を開くなど、被爆者の願いとは正反対なことばかりです。
新年早々、隣国の北朝鮮が水爆実験をおこなったと報じられました。原爆被害者の私たちにとって、とうてい許せない暴挙であり、東友会は直ちに厳しい抗議文を送りました。(抗議文全文はこちら 注:「東友」記事ページから「事業・とりくみ」ページに移動します。)
被爆者の老齢・病弱化とともに、地区の会の弱体化が目立ちます。今後、東京の被爆者を支え、被爆者運動の拠り所となる東友会をどう支えていくかが課題になりますが、私たち被爆者は、一日も早い核兵器の廃絶と、原爆被害に対する国の償いを求め続けます。力を合わせましょう。
戦火を見ず七十年の雲の峯
旅人木