東友会は被爆者が運営しています できることを、無理せず、協力して
東友会の事業は、役員と事務局の奮闘とともに、専門委員会のがんばりですすめられています。この専門委員会は地区の会から選出された協議会理事112人の中の希望者が参加しています。これらの専門委員会を委員長に紹介してもらいました。
相談事業委員会
相談事業委員会は、高齢化する被爆者にとっての指針となる研修会、医療講演会、相談会などを企画しています。委員は16人です。
委員会の柱となる企画は各区市の相談員を対象とした「相談員研修会」と、「医療講演会」です。それぞれ年に1回、東京都の委託事業として開催しています。
高齢化のため弱体化したり休会中の会が年々増えています。それらの地域で東友会は年2、3回「地区なんでも相談会」を開いています。この企画や地域を決めること、地区の会への働きかけも相談事業委員会の仕事です。この相談会は、被爆二世や親族が出席しやすいよう、日曜日に開催しています。
今回の「東友」に同封した委託事業刊行物『常緑樹』の企画も担当しています。
(委員長・村山季美枝)
実相普及委員会
私たち被爆者の最も大切な「責務」は、被爆体験を世界中の人たちに、特に若い世代に伝える実相普及活動です。東友会のこの事業の企画を、16人の実相普及委員で担当しています。
地区の会は、学校をはじめ様々な機会・場所で原爆展を開いていますが、これを支援する仕事が重要です。
被爆者の高齢化にともない、被爆体験の証言者が、年々少なくなってきました。この現状を乗り越えるために、委員会として国立市の「くにたち原爆体験伝承者育成プロジェクト」を傍聴させてもらい、東友会での進め方を検討することにしています。
2015年11月に東友会が開いた被爆70年東京原爆展にも全面的に協力し、いまは死語となった戦時中の言葉や原爆被爆にかかわる言葉を解説した「用語集」もつくりました。
(委員長・奥田豊治)
広報委員会
広報委員会のメンバーは8人。他の専門部の半数です。しかしこの人数で、毎月発行している機関紙「東友」の取材、原稿と校正作業を担当しています。専門性が必要な紙面の割り付けや編集は、編集者の鍋島聖民さんと事務局が担当しています。
委員の大切な仕事は、コラム「えんぴつ」の執筆。234字以内で、泣かせたり、世評を紹介したり、皮肉ったり。委員の腕の見せ所です。
行動などの写真を専門に担当する「専属カメラマン」、写真撮影が禁止されている法廷の場面を描く「画家」(本職)も委員です。
委員会は毎月1回。印刷所にわたすゲラを校正し、次号に掲載する記事を決め、執筆担当を決めています。
委員の高齢化で最近は、担当する記事を間違えて書いたり、締切までに記事がとどかないこともしばしば。事務局にお叱りをいただくことが増えています。
(委員長・家島昌志)
猫の手会
東友会には「猫の手会」というユニークな名前のボランティアグループがあります。発足は1984年。現在のメンバーは32人です。
「猫の手会」の仕事は、毎月の「東友」や委託刊行物『常緑樹』、「相談のしおり」の発送が中心。「東友」だけのときは月1日、20人くらいで4000通、1月と6月は9500通を2日から3日かけて、のべ60人くらいで発送します。「東友」は低料第三種郵便物に認定されていて、普通は1通92円かかる郵便料金を1通15円で送れますが、郵便番号ごとに分けて束ねる作業が必要です。この細かい作業も担当しています。
「猫の手会」と名付けたのは村田未知子事務局主任。「猫の手も借りたいくらい忙しい事務局を応援して」という思いだったとか。