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【連載】東京にある被爆の実相 (12)渋谷駅・岡本太郎「明日の神話」

 岡本太郎が制作した縦5.5メートル、横30メートルの大壁画「明日の神話」が、京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅をつなぐ連絡通路に展示されています。
 この壁画はもともと、岡本太郎がメキシコの企業家から依頼され、メキシコオリンピック(1968年)のために建設中のホテルロビーに描いたもの。画面中央に骸骨が炎をふいて燃え上がっている構図で、右端には第五福竜丸とマグロが描かれています。オリンピックを見に来る人びとに原子爆弾の悲惨さを知ってほしいとの願いを込めて、壁画の下には「HIROSHIMA NAGASAKI」の文字が入っていました。しかし、ホテルの建設が中止となって以降、行方不明となっていました。
 2003年9月、岡本太郎の養女・敏子さんの尽力によって発見され、日本に持ち帰られましたが、行方不明中の傷みが酷く、持ち帰ったのちに修復作業を続けて復元されました。
 しかし、巨大過ぎる壁画のため展示場所が限られ、幾多の模索ののち現在の場所に決まりました。電車の振動による劣化を起こさない設計になっているそうです。
 壁画再生の詳細は、「明日の神話再生プロジェクト」のウェブサイトでみることができます。

(取材・執筆:森貞士)

渋谷駅のビル内、通路の壁に展示された「明日の神話」
渋谷駅に展示されている「明日の神話」