【連載】東京にある被爆の実相 (9)「子ども像」と戦災資料センター
江東区北砂の「東京大空襲・戦災資料センター」前に、「世界の子どもの平和像」が設置されています。この像は、東京の高校生が中心になって、全国から募金を集めて建立したものです。
「子ども像」は、広島の「原爆の子の像」の話に感動したアメリカの子どもたちが1995年に「子どもの平和像」を建て、「世界中に子どもの平和像を」と呼びかけたことから世界に広がりました。日本の子どももこれに呼応。「核兵器と戦争のない21世紀を」「一人ひとりの人権が大切にされる社会を」「差別や貧困のない世界を」という願いを込めてデザインを募集し、330点の中から阿部加奈子さん(大泉西中学校3年生・当時)の作品に決定しました。
「子ども像」を受け入れた東京大空襲・戦災資料センターは、1999年に東京都の「平和祈念館」建設計画が凍結されたため、1970年から「東京空襲を記録する会」があつめてきた空襲や戦災の文献・物品を展示するために、「記録する会」と財団法人政治経済研究所が募金を呼びかけ、2002年3月9日に完成させました。日本各地の空襲地図、広島・長崎の戦災地図、世界の空襲の地図(ゲルニカ・重慶・ドレスデン)、写真、文献などが展示されています。
東京大空襲・戦災資料センター:江東区北砂1-5-4 電話03-5857-5631
(取材・執筆:森貞士)