【連載】東京にある被爆の実相 (7)葛飾・非核平和祈念塔
葛飾区は1983年に「非核平和都市」宣言をおこないました。その後、区の中央部にある「青戸公園」を「青戸平和公園」に改修・改名。園内に平和を願うすべての区民のシンボルとして「非核平和祈念塔」の設置を議決しました。
塔のデザインは区内在住で日展会員として活躍中の堀豊之氏に依頼。1988年8月2日に、除幕式と青戸平和公園の開所式が挙行されました。
この塔は、平和の使いの鳩を左手に「平和よ高く舞え」と掲げた2.4メートルの女性ブロンズ像を、原爆のキノコ雲をイメージした台石の上に配したもので、池の中に設置されています。
池の前には、非核平和都市宣言プレート、広島市の京橋川に架かっていた御幸橋の縁石、長崎市の原爆で焼けた民家の門柱を「葛友会」が譲り受け区に寄贈したものの3点が設置されています。
毎年8月、葛飾区と葛友会の共催で、「非核平和祈念塔のつどい」が催されます。千羽鶴を持った幼稚園児・小学生をはじめ多数の区民が参列。非核・平和の願いを込めて黙祷や「献水の儀」がおこなわれています。
葛飾・非核平和祈念塔:葛飾区青戸4-23-1 青戸平和公園内(京成線「青砥」駅から徒歩8分)
取材にご協力いただきました長岡和幸葛友会事務局長に謝辞を申し上げます。(取材・執筆:森貞士)