【連載】東京にある被爆の実相 (2)第五福竜丸展示館 1.実物船体
3月1日のビキニデーにちなみ、「東友」3月号と4月号の2回に分けて第五福竜丸の事跡を紹介します。
(取材・執筆:森貞士)
1954年3月1日、アメリカがビキニ環礁で水爆実験をおこないました。近海で操業中だった第五福竜丸は、危険水域の外だったにもかかわらず大量の「死の灰」を浴びせられ、23人の全乗組員が急性放射線症になり、久保山愛吉さんが亡くなりました。この事件をきっかけに、日本中で原水爆禁止の世論と運動が巻き起こりました。
第五福竜丸はその後、いくつかの変遷を経ましたが、1967年、夢の島に廃船として放置されているのが発見され、国民的な保存運動の成果として「第五福竜丸展示館」が建設されました。館内には第五福竜丸の船体が丸ごと保管され、さまざまな資料が展示されており、年間を通じ4万人ほどの修学旅行生の見学もあります。
東京都立第五福竜丸展示館:江東区夢の島2丁目1-1 夢の島公園内 電話03-3521-8494(JR京葉線、地下鉄有楽町線、りんかい線「新木場」駅下車徒歩約10分)