東京都福祉保健局と東友会の懇談 顔合わせ話し合う大切さかみしめ
東京都福祉保健局と東友会の定例懇談会が2021年12月15日、新宿区の東京都健康プラザ・ハイジアで開かれました。1992年11月以降毎年開かれているもので、今回が30回目になります。
東京都からは成田友代保健政策部長、堂薗桂子疾病対策課長、藤原良規疾病対策課長代理と被爆者援護担当の職員3人が参加。東友会側は、18区市の地区の会代表の被爆者と「おりづるの子」(東京被爆二世の会)の代表、東友会相談員を含めて30人が参加しました。
懇談会は東京都側の司会で始まり、成田部長から、東京都の被爆者援護事業に多大な協力を受けていることへの感謝と76年間も後遺症への不安を抱く被爆者に寄り添う温かい挨拶の後、参加した都職員の紹介がありました。
東友会側に司会が移った後、参加者全員で黙祷。東友会の家島昌志代表理事が被爆者援護担当の職員の日頃の支援に感謝を述べ、東友会側の出席者が紹介されました。
被爆証言には他の職員も
毎年恒例となっている被爆証言は、5歳のとき広島の爆心地から2.3キロの南観音町で被爆した文京区に住む村山季美枝さんが、2019年8月6日の広島市の「平和宣言」で紹介された「おかっぱの頭から流るる血しぶきに妹抱きて母は阿修羅に」の短歌をはじめ、自身が詠んだ短歌をちりばめながら、「あの日」の惨状と被爆者の願いを語りました。この証言の時間は、被爆者援護担当以外の福祉保健局職員も参加しました。
資料交えて意見交換
東友会からは、東友会と東京都との連携、被爆者健康診断、「被爆者の子(被爆二世)」の制度の充実、被爆体験の保存、東友会への委託費などの項目ごとに、各理事が説明しました。
さらに、青木克明理事(医師)が、乳がん検診の受診率向上と二世の胃がん検診に内視鏡(胃カメラ)を導入する根拠などを示した文書を提出して要請しました。
堂薗課長は、要望事項のそれぞれに丁寧に回答。申請手続きの簡素化についても、具体例をあげて説明しました。また、東京都が実施している「被爆者の子の医療費助成」の障害別の実績を年代別に区分した一覧や、東京都のウェブサイトで調べられる被爆者と被爆二世の数値データなどを印刷して配付。参加者に好評でした。
最後に、東友会の大岩孝平理事が謝辞を述べ、成田部長は、貴重な被爆証言を聞けたことに感謝し、みなさんの願いは厚生労働省に要望するとの挨拶がありました。