被爆60年に寄せられたピースリーフの言葉から
東友会は、被爆60年に一人ひとりの平和の思いを書く「ピースリーフ」のとりくみをよびかけました。1年間で600枚をはるかに超える「ピースリーフ」が寄せられました。80歳を超える被爆者から4歳の子どもまで、様々な世代から寄せられた言葉のなかから、一部を抜粋して紹介します。(順不同・敬称略)
- 私の本籍は広島市です。親戚の多くの命があの時消えてしまいました。一日もはやく核兵器の廃絶の国際協定を実現させよう!(武原要子)
- あっとあの瞬間、気がついたら机の下敷になっていた。60年経っても昨日のこともようだ。一生忘れることはない。(古澤里士)
- 母の胎内で被爆した私は、原爆が落されて2カ月後に産声も出さずに生まれ、医者に「この児はダメだね。生命力がもたない」と言われました。でも母の必死の努力のおかげで生き続けています。母の背中の大ヤケドを見ながら…。ピカドンは絶対にイヤだ!(武村明子)
- プレゼントいただいたひざかけはとても心地よく、温かい肌ざわりで、私は胸が熱くなりました。私の体は日に日に弱っているように思いますが、平和への思うはいつまでも変わらず、いつも心の中で平和な日々を叫んでいます。(田頭栄)
- 国家補償にもとづいた被爆者援護法の制定を! 東原爆裁判、集団訴訟の勝訴のため力をつくそう!(本間美智子)
- 多くの人と手をたずさえ、国家補償の被爆者援護法を実現しよう。(泉順太郎)
- 被爆二世の息子が40歳をすぎて白血病で亡くなりました。核兵器をなくし、世界から戦争をなくし、平和に暮せる地球を!と、ご一緒にがんばります。(福長笑子)
- 親の苦しみを見続けてきました。核兵器の全廃を一日も早く。(出島淳)
- ぼくがおおきくなってもせんそうにはいきたくないです。へいわなせかいをまもってください。これからもちきゅうをまもってください。(そらき 4歳)
- 核保有5大国だけはもってよくて他はいけない? なんて勝手な言い分でしょう。すべて廃棄するように。それが平等というもの。(小田順子)
- 原爆症認定集団訴訟の中に入っている亡き主人に、2006年こそ勝ったということを伝えたいです。世界全体で戦争が終わることを望みます。(大塚小夜子)
- 原爆症認定集団訴訟の一日も早い認定をお願いします。(川島絹子)
- 原爆のことを直接話してくださる方が少なくなっている中、若い私たちが積極的に知って理解し、世界中に平和を訴えていかなければならないと思う。(谷野絵美)
- 私には孫が6人います。どの孫も瞳かがやかせたとてもかわいい孫たちです。イラクの子どもたちも、この世に生をうけて生まれてきているのに、毎日を不安な生活を送っています。戦争のない世界平和を一日も早く私たちの手で!(細野正子)
- 何としても核兵器がなくなるまで生きぬいて、平和な地球、緑豊かな日本の姿を確かめたい。憲法第9条を改悪するなんてとんでもない。世界のすみずみまで広げ、人殺し道具などなくしてこそ、本当の平和はやってくる。(寺沢茂)
- みんなの平和の願いを踏みにじるような改憲への動きを、なんとしてもくい止めたい。(浅野智子)
- どうか校庭が火葬場になりませんように。(富田庸子)
- たんぽぽのわた毛をフーッと飛ばすように、平和の種を世界に飛ばそう。あきらめず、続けよう。暴力のない世界のために。(中村紀子)
- 原爆を受けて50年余りをとっくに過ぎ、今まで生きてることが不思議でなりません。次の世界を生きぬく人には2度とこんな目に合わせたくありません。平和を望みます。(眞嶋富美子)
- 私は、孫たちに戦中・戦後の、私が肌で体験したことを話すようにしています。何度も話しているうちに、孫たちも記憶に残してくれると思っています。(八木三千代)
- 終戦から60年。戦争体験者も高齢化して、実体験を聞く機会もどんどん少なくなると思います。しかし、私たちが次世代の語り部となって、脈々と戦争の悲惨さ、核兵器廃絶の訴えを続けていかなければいけないと思います。(菊地瑠美子)
- ヒロシマ・ナガサキから60年。15万の大軍をイラクに派遣し、今尚性懲りもせず無差別の殺人攻撃を続けるアメリカに告ぐ。平和を求める世界の良識は断じて許さない。即撤退せよ。
ヒロシマ爆死、私の家族
母 芳子38歳
妹 美智子14歳
弟 統12歳
妹 弥恵子6歳
祖母 ヒナヨ65歳
無念と怒りは消えず。(吉澤純一) - 8月8日広島市内の寺町通りを歩いて家族を探しに紙屋町方面に向かって行く途中、焼け野原に4歳ぐらいの子どもが立っていました。おそらく黒焦げになって直立不動の姿勢になっていたのでしょうか。あの無惨な光景を忘れることはできません。各地で新たな戦禍が絶えないのは心が痛みます。(真田春野)
- 原爆の話になると涙をためて黙していた母。母の無念な思いを私は生涯かけて書き、語り続けたいと思う。(萩原俊雄)
- 4分の3の人が戦争を知らない日本人。被爆者の証言が今のうちにますます必要と思う。(たしろひろこ)
- 子どもたちに、あの戦争を二度と体験させたくない。憲法を守るのは私たちおとなの責任です。(松本良子)
- 「原爆」が、過去の出来事ではなく現在進行形であるという認識を、しかと心にとめようと思います。(笹本芳子)
- 僕たちも、戦争を知らない世代の一代表として、ドキュメンタリー作品(作り)を通じて、少しで平和を願う人々に貢献できればと思います。(福井秀和)