被爆者相談所および法人事務所
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原爆症認定集団訴訟 東京訴訟 口頭弁論と被爆60年しめくくり行動

微量放射線を軽く見てはいけない 証人尋問 市川証人が詳述

 2005年の暮れも押し迫った12月27日、東京地裁103号法廷で原爆症認定集団訴訟の第14回口頭弁論がおこなわれ、東友会の57人を含む100人以上の人が傍聴しました。
 この日の証人は、埼玉大学名誉教授の市川定夫さん。専門は、微量放射線が生き物に及ぼす影響についての研究で、ムラサキツユクサを使った綿密な調査・研究は有名です。
 法廷で市川さんは、長年の研究から、微量の放射線であってもDNA(遺伝子の本体)に影響を与える可能性を明快に証言。とくに被爆者の場合は、からだの外から浴びせられた原爆の放射線だけでなく、放射性降下物や残留放射線を含む物質を、呼吸や食物摂取などを通じて体内に取り込み、それらが長期にわたってからだの内側で放射線を出し続ける結果、ガンなどの病気が出てくることに注目すべきだと強調しました。
 傍聴した被爆者からは、「とても明快な証言で国の言い分が批判され、胸がすく思いだ」、「微量の放射線でも体に影響があるという話は、あらためて我が身の受けた被害の深刻さを思い知らされたようで切ない」などの感想が聞かれました。

厚労省前の歩道に立って並び、「焼き場の少年」写真パネルを持って訴える原告ら。
厚労省前で訴える原告のみなさん。円内は証人の市川定夫さん。

公正判決を求める署名4000人分を提出

 12月27日の証人尋問に先立ち、「原爆症認定集団訴訟の公正な判決を求める署名」4000人分を東京地裁に提出しました。東友会の代表5人のほか、支援者、弁護士らが参加。一人ひとり署名の束を係官に手渡しました。提出した署名は累計で3万3865人分となりました。

キャンドル灯し訴え 寒風のなか、厚労省前で80人

 2005年最後の原爆症認定集団訴訟の口頭弁論が終わった12月27日午後4時から、厚生労働省前で「被爆60年しめくくり行動」がおこなわれ、被爆者、弁護士、支援の若者など80人(うち東友会40人)が参加しました。
 官庁街のビル影で薄暗くなった厚労省前では、参加者がキャンドルを灯し、若者たちのリレートーク、亡くなった原告の証言の紹介などが続き、傍聴に駆けつけた歌手の横井久美子さんが、CD「にんげんをかえせ」の売上から募金を手渡しました。
 夕暮れの空に、「原爆被害を軽くみるな」などの熱い唱和が響きました。

厚労省前の歩道で、紙コップにいれたロウソクに火をともしたものを持って並ぶ被爆者・支援者ら。
夕闇のなかキャンドルを掲げ唱和