被爆者相談所および法人事務所
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被爆者に年末見舞い金を贈るつどい 介護保険制度利用の実態も調査

 2001年12月15日、東京原水協と東友会は、「被爆者に年末見舞金を贈るつどい」を豊島区勤労福祉会館で開催し、被爆者の地区の会と地区原水協の代表126人が参加しました。
 今回の「つどい」は両者で被爆者での年末見舞い訪問を始めて41年目。見舞金は、原水協の人びとが職場や街頭などで被爆者への支援と核兵器廃絶を訴えて集めた募金です。
 2001年は運動の成果で実現した被爆者援護法・福祉事業の施策を、対象になる被爆者に知らせたいと、お見舞い訪問する相手先を「地区の会がつかんでいない介護保険の利用者」とし、471人への贈呈と調査を並行しました。
 福祉事業の内容と調査の重要性については、東友会の村田未知子相談員が講演。柴田桂馬・東京原水協代表理事が「6・9募金運動」の経過を報告しました。
 閉会後は各地区ごとに原水協と被爆者の会が顔を合わせて懇談、訪問日程などを相談しました。

並べられた机に着席する参加者たち。
126人が集まった「被爆者に年末見舞金を贈るつどい」
見舞金受け渡しの場面。
東京原水協・正木代表理事(右)から見舞金をうけとる東友会・田川会長(左)

「保険外の負担がつらい」 調査票に実態ぎっしり

 年末見舞金を贈る訪問活動の中でおこなわれた 被爆者援護法・福祉事業についての調査票が、1月に入り、東友会に集まってきています。ここで、その一部を紹介します。

  • 76歳・女性 痴呆があり老人保健施設入所。身寄りなし。介護保健関係の手続きは施設がしている。本人は自分の介護度もわからなかった。施設の窓口で確かめようとしたが、「知らせて良いのかわからない」と断られた
  • 82歳・男性 エレベーターのない団地の5階に住む。妻(被爆者)も具合が悪く、買い物にも行けないので困ると。介護保険をほとんど知らない。
  • 81歳・女性 週1回ヘルパーが来ている。高齢者夫妻の世帯。「できるうちは自力でがんばりたい。戦争は二度とあってはならない。一般市民の苦しみを考えてほしい」と話された。
  • 79歳・男性 車椅子で病院から戻られた時お会いできた。「頭はしっかりしているが言葉をしゃべれない」との奥さんの話。介護保険を申請中。東友会の介護保険制度説明書を手渡す。
  • 86歳・女性 独居。足腰の痛みが強く、別居の娘が介護。自力での生活が困難。介護保険の申請を勧める。今後も電話をかけて状態を」つかみながら訪問して協力したい。
  • 72歳・男性 長期入院中。寝たきり。流動食。目も不自由になったが、奥さんが「ダンケと言われた。教鞭をとったドイツ語を忘れていない」と喜んでいた。
  • 91歳・男性 87歳の寝たきりの妻との生活。本人も脳梗塞で入院していたと。生活が崩壊寸前の感あり。介護保険のことをほとんど理解できていない。
  • 81歳・男性 独居。「要介護」1だが、被爆者の介護手当は却下された。非課税世帯なので週2回の訪問介護の費用が戻る申請をするように勧めるが自力での申請ができるかどうか不安。
  • 90歳・女性 老人保健施設入所。2000年に被爆者の夫が95歳で死去。やせ衰えている。子どももなく、文字通り独りになったと嘆く。「早く死にたい」と涙を流していた。
  • 67歳・女性 独居。視力低下で「要介護」1。「介護保険の対象にならないヘルパーの利用料負担が毎月9万円。早く目が見えなくなればいい。介護度が上がるので…」という訴えに胸をうたれる。