被爆者年末お見舞い訪問 会って、話して、励まし合って
2022年12月4日、「第58回被爆者に年末見舞金を贈るつどい」が開かれ、東京原水協から東友会に被爆者148人分の年末見舞金が贈られました。今回もコロナ禍による制約のあるお見舞い訪問となりましたが、年末から年明けにかけて、地区ごとに訪問。見舞金といっしょに東都生協から贈られた手作りの編み物を届けました。1月11日までに寄せられた報告のなかから一部を紹介します(訪問日順)。なお、定型の報告書のみの地区は編集部で要旨をまとめました。本号で掲載できなかった地区は次号で紹介します。
地区からの訪問報告(訪問日付順)
町田市
12月10日、町友会6人、町田原水協2人、「共に生きる会」3人、桜美林大学1人の計12人が4台の車に分乗し、11軒のお宅を手分けして訪問しました。
2022年は天候に恵まれ、気持ちよく個別訪問をすることができました。訪問時は玄関先で短めにお話をうかがうつもりでしたが、風もなく暖かい日差しと、被爆者同士という気持ちもあってか、玄関先で話し込み、つい長居をしてしまうこともありました。
半面、エレベーターのない団地の5階に住んでいて買い物などの外出に苦労している人がいたり、訪問前の電話が通じず、とりあえず訪問してみると雨戸が閉まったままで、いまも心配している人がいます。(興田茂)
中野区
12月15日、長広会の役員2人と中野原水協の役員1人で、89歳から104歳までの4人の会員を訪ねました。
加齢や病状の悪化により電話にすら出られない人も増えているのに加え、新型コロナ感染が急速に拡大する中での訪問活動にはいろいろ制約もありました。しかし、数少ない交流の機会として、お互いの無事を確認し、励まし合える貴重なひと時となりました。(家島昌志)
武蔵野市
12月23日、武蔵野けやき会2人、武蔵野原水協2人の計4人で、3人の被爆者を訪問しました。
99歳の女性は、息子家族と元気で暮らしておられました。近所を散歩しているそうです。息子さんは胎内被爆者で77歳です。
98歳の女性は、寝たきりの状態で娘さんが面倒をみているそうです。
けやき会の大先輩・柴田フミノさんは、98歳とは思えないほど元気ではっきりした大きな声で話してくれました。お見舞い金と手編みのひざ掛けを渡すと、とても喜んでくれました。(木岡紀久代)
墨田区
12月27日と28日、墨田折鶴会3人、墨田原水協1人で、3人の被爆者にお見舞い金とお菓子を届けました。
お一人は、介護施設に入所。限られた時間内でしたが面会できました。お元気そうで、仲のよい会員の訪問にたいへん喜んでくれました。
前年にご主人を亡くした88歳の女性は、「毎日の生活が寂しい」との言葉も出て、今後は一人暮らしは無理なので、いま老人ホームを探しているとのこと。意外と長話になりました。
2021年から、東都生協の編み物プレゼントに、宛先を記入したハガキを添付して、感謝の気持ちを書いて送ってもらっています。(湊武)
北区
12月28日、北原水協の3人で、北区在住の3人の被爆者宅を訪問しました。
ひとりは、あと3日で89歳という男性。前年訪問した人の名前と顔を覚えておられ、「お見舞いのつどいの記事を『東友』で見たよ」と話された記憶力には驚きました。
91歳の女性は、息子と同居。月1回通院し、弱っているところもありますが、部屋の掃除も自分でやっているそうです。
最後は、肺、膀胱、前立腺と3つのがんを患い、医師から「よく生きている」と感心されたという男性。お連れ合いもいっしょに交流のひとときをもちました。訪問した原水協の柴田桂馬さんが92歳ということもご存知で、ご夫婦は「私たちも頑張らなくちゃと思います」と話していました。(遠藤久)