被爆者年末お見舞い訪問の報告
新型コロナの影響で孤立している被爆者はいないか
細心の注意を払いながら訪問
2020年12月13日、「第56回被爆者に年末見舞金を贈るつどい」が開かれ、東京原水協から東友会に年末見舞金が贈呈されました。新型コロナウイルスの影響で、お見舞い訪問に大きな制約がありましたが、家に閉じこもった状態の被爆者の安否確認を兼ね、地区ごとに入念な感染予防対策をして訪問。見舞金といっしょに東都生協組合員から届けられた手作りの編み物を届けました。2021年1月7日までに寄せられた報告のなかから一部を紹介します。(定型の報告書のみの地区は編集部で要旨をまとめました。)
地区からの訪問報告(訪問日付順)
中野
12月16日と18日、中野・長広会の役員3人と中野原水協の役員とで、5人の高齢会員や要介護の会員を訪ねて、東京原水協から贈られた見舞金お渡ししました。
被爆75年の年の瀬、加齢や病変にともない電話に出られない人も増え、とくに新型コロナ感染拡大騒動のなかでのお見舞い訪問は課題もありましたが、被爆者の安否を確認する貴重な交流の機会になり、訪問する側もされた側も、お互い無事を確認し合い、励まし合えるひと時となりました。(家島昌志)
町田
町田・町友会は12月20日、町友会から8人、町田原水協などの支援者から8人が参加し、手分けして20人の被爆者を訪問しました。
今回はコロナ禍のため例年以上に気を使って事前の連絡をとり、当日は訪問する人たちもしっかり検温。一日だけのボランティア保険もかけました。
「家に上がって」というお宅もありましたが、すべて玄関先で手短かに挨拶して見舞金と編み物、「町友会とともに生きる会」からの贈り物を渡すだけにしました。
訪問した被爆者の健康状態は様ざまでしたが、お会いできたときの様子では、お元気そうな顔を見ることができ、安心しました。
毎年いっしょに訪問している大学生は「就職しても来たい」と感想を述べ、「今年は反省会もできないけど電話でね」と解散しました。来年は握手のできる訪問でありたいと願います。(神戸美和子)
世田谷
12月25日、世田谷原水協2人、被爆者1人が参加し、89歳の男性被爆者を訪問しました。
がん手術のあと放射線治療を続けているとのこと。屋内でも外出でも付き添いが必要な状態ではあるものの、声には張りがあって2019年に訪問した時よりはお元気な様子でした。ただ、8月に奥様が疲労骨折で入院されたとか。老老介護の現実をひしひしと感じました。(木村徳子)
江東
江東・江友会は12月26日、江友会から3人、江東原水協から2人が参加し、5人の被爆者をお見舞いしました。
寝たきりや歩行困難でヘルパーの手助けを必要とする人が多く、直接お会いすることができない人もいましたがヘルパーさんから日常の状態をうかがうことができました。
デイサービスで受けた新型コロナ対策のアルコール消毒でひどいアレルギーが出て、全身が腫れて動けず半年ほど自宅に閉じこもっているという人もいました。買い物はヘルパーさんにお願いし、通院はタクシーを利用してしのいでいるそうです。(森貞士)
練馬
被爆者練馬の会は12月26日、練馬の会の役員4人が参加し、5人の被爆者を訪問しました。
とくに独り暮らしの高齢者が心配でしたが、お元気な様子を拝見することができて安心しました。
老健施設に入所してお会いできない人もありましが、娘さんからお話を聞くことができ、被爆二世の施策についての相談を受けました。
会の行事によく参加していたが足腰が弱って参加できなくなっている人は、訪問を喜んでくださり、核兵器禁止条約発効にあたっての「わたしのメッセージ」を書いてほしいと渡したら「喜んで書きます」と言ってくれました。(綿平敬三)