ノーモア・ヒバクシャ東京訴訟
裁判を起こさなくても認定されるようにとたたかった32人の原告

 2012年3月から2018年12月までたたかわれたノーモア・ヒバクシャ東京訴訟に参加した32人の原告の申請病名、被爆状況を表に整理しました。私たちは、この原告全員が原爆症と認定されるというパーフェクトの勝利を勝ち取りました。
 裁判の途中で厚生労働省が「新しい審査の方針」を改定し、32人の原告のうちの9人の却下判定を取り消して原爆症と認定しました。「自庁取消」といわれるものです。
 つまり、残った23人の原告は、厚労省の現在の審査方針では、「原爆放射線の影響は認められない=放射線起因性がない」か、「原爆症と認められる病気の治療や経過観察が終わっている=要医療性がない」とされた人びとでした。
 ところが東京地方裁判所は23認全員を原爆症と認定すべきと判断し、16人については厚労省がその判決を認めました。
 厚労省が地裁の判決を不服だとして東京高等裁判所に控訴した第一次・第二次訴訟の原告7人についても、高裁は厚労省の主張をしりぞけ、勝訴判決を言い渡し、厚労省はこの7人全員を原爆症と認定せざるをえませんでした。
 今後の運動は、判決を厚労省が認めた23人と同じ病状、被爆状況の被爆者が裁判をおこさなくても原爆症と認定される審査方針に改めさせることが重要になります。

ノーモア・ヒバクシャ東京訴訟 ―― 原告32人の被爆状況、認定病名、裁判の経過
訴訟の区別 原告被爆者の被爆状況など 認定申請時の病名と却下理由 提訴後の経過
原告番号 性別 被爆時年齢 被爆地 被爆状況 申請病名 却下理由 裁判 確定
(全員認定)
直接被爆距離
(キロメートル)
入市被爆入市日等 地裁判決 高裁判決
第1次訴訟 01 11歳 広島 8月11日 下咽頭がん(多重がん) 起因性 勝訴、国が控訴 勝訴 認定
02 12歳 長崎 4 8月9日 腎臓がん 起因性 勝訴 認定
03 17歳 広島 8月11日 腎臓がん 起因性 勝訴 認定
04 8歳 長崎 3.6 胃がん 起因性 勝訴 認定
05 9歳 広島 3 乳がん術後皮膚潰瘍 要医療性 勝訴 認定
06 24歳 広島 4 8月7日 爆心地より2キロ 膀胱がん 起因性 勝訴 認定
07 7歳 長崎 3.8 前立腺がん 起因性 勝訴 認定
08 2歳 長崎 3.6 前立腺がん 起因性 勝訴 認定
09 5カ月 広島 8月8日 胃がん 要医療性 勝訴 認定
10 7歳 広島 1.7 心筋梗塞・脳梗塞 起因性 判決前に「自庁取消」で認定 認定
11 14歳 長崎 3.5 8月10日 心筋梗塞 起因性 勝訴、国が控訴 勝訴 認定
13 13歳 広島 1 狭心症 起因性 勝訴 認定
14 17歳 長崎 2 心筋梗塞 起因性 判決前に「自庁取消」で認定 認定
15 11歳 広島 3 心筋梗塞 起因性 勝訴、国が控訴 勝訴 認定
16 10歳 長崎 2.2 8月10日 脳梗塞 起因性 勝訴、国が控訴 勝訴 認定
17 9歳 長崎 2.5 甲状腺機能低下症(橋本病) 起因性 判決前に「自庁取消」で認定 認定
18 3歳 長崎 2.3 バセドウ病 【注】申請病名:甲状腺機能低下症 起因性 勝訴、国が控訴 勝訴 認定
19 10歳 広島 1 慢性肝炎(B型) 要医療性 判決前に「自庁取消」で認定 認定
20 16歳 広島 8月6日 慢性肝炎(C型) 起因性 勝訴 認定
21 9歳 長崎 3.7 脳梗塞 起因性 勝訴、国が控訴 勝訴 認定
22 14歳 長崎 1.1 狭心症 起因性 勝訴 認定
第2次訴訟 23 13歳 長崎 3 甲状腺機能低下症 起因性 勝訴 認定
24 13歳 長崎 3 心筋梗塞 起因性 勝訴 認定
25 18歳 長崎 3 下咽頭がん術後甲状腺機能低下症 起因性 判決前に「自庁取消」で認定 認定
26 1歳 広島 2 甲状腺機能低下症 起因性 判決前に「自庁取消」で認定 認定
27 5歳 長崎 2.5 大腸がん 要医療性 判決前に「自庁取消」で認定 認定
28 12歳 長崎 4.2 8月13日 慢性心不全 起因性 勝訴、国が控訴 勝訴 認定
29 9歳 長崎 3 前立腺がん 要医療性 勝訴 認定
30 1歳 広島 2 甲状腺機能低下症 起因性 判決前に「自庁取消」で認定 認定
31 4歳 広島 3.6 胃がん、大腸がん、肺がん 起因性 勝訴 認定
32 7歳 広島 2.2 甲状腺機能低下症 起因性 勝訴 認定
33 4歳 広島 1.7 心筋梗塞 起因性 判決前に「自庁取消」で認定 認定

【備考】 原告番号12は途中取り下げのため欠番。
「自庁取消」は、厚生労働省自らが、却下した内容を取り消して、地裁判決前にあらためて「認定」したものです。