被爆者相談所および法人事務所
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ノーモア・ヒバクシャ訴訟 広島地裁で勝訴判決
白内障での認定に道開く

 2015年5月20日、ノーモア・ヒバクシャ訴訟8度目の判決が広島地裁で言い渡されました。
 これは広島訴訟の白内障だけを申請疾病とする原告4人に対するもので、2人が勝訴しました。

2015年5月20日 広島地裁判決を受けた原告の状況
番号 判決 国の主張 性別 被爆時年齢 被爆距離
(広島市内の町名)
被爆後の行動:
残留放射線の影響
申請病名
1 敗訴 起因性・要医療性なし 14歳 直爆3.0キロメートル
(吉島町)
入市8月7日~8日、0.5キロメートルまで 白内障
2 勝訴 要医療性なし 6歳 直爆1.5キロメートル
(千田町1丁目)
直後に0.7キロメートルまで 白内障
3 勝訴 起因性・要医療性なし 11ヵ月 直爆2.4キロメートル
(広電己斐駅)
黒い雨受ける 白内障
4 敗訴 要医療性なし 1歳 直爆1.3キロメートル
(幟町98)
――― 白内障

 白内障にたいする現在の厚生労働省の認定基準は、2013年12月に改訂した「25年新方針」で、「被爆地点が爆心地より約1.5キロ以内にある者」とされ、残留放射線の影響や内部被曝はいっさい認められていません。
 しかし広島地裁は、表の「番号3」の原告にたいし、2.4キロで被爆し、黒い雨を多量に受けたことに、「放射線起因性」があると認めました。厚労省の基準を大きく超えたものでした。
 厚労省は、白内障の「要医療性」にたいしては、治療は眼内レンズを挿入する手術だけとし、点眼薬での治療を認めていません。
 広島地裁は、表「番号2」の1.5キロ直爆で「起因性」には争いがない原告について、「点眼薬の治療をつづけ時期をみて手術する」という医師の治療方針が「要医療性」の条件を満たすと認めました。
 敗訴した原告は、1.3キロで被爆しましたが、定期的な通院をしていないために「要医療性」が認められなかった人と、被爆距離について国が主張した被爆距離3.0キロを覆せなかったために、「起因性」が認められなかった人でした。
 広島原告団と弁護団は、判決が「内部被曝の影響を考慮していない点を含め、地理的範囲および線量評価の両方において過小評価となっている疑いがある」などと厚労省の基準を断罪していることから、「被爆70年の節目の年に、被爆者を苦しめつづけている現行の認定制度を抜本的に改め、核兵器の非人道性の生き証人である被爆者の立場に立った行政に転換すべきである」との声明を発表しました。