被爆者相談所および法人事務所
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「核兵器も原発もゼロに!」力合わせ被爆者の願いを広げましょう

 東友会に届いた年賀状には、2011年の大震災と福島原発事故を原爆被害に重ねて、2012年の決意・抱負を述べたものが多数でした。これら被爆者、支援者の声に応え、東友会は年頭から出足早く活動をはじめました。

原爆被害に国の償いを

 1つは、2011年末から取り組んでいる「『原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律』改正への国会議員の賛同署名」を訴える活動です。東友会の8ブロックの代表・副代表は、年末・年頭から国会議員事務所にたびたび電話をかけ、面談し、訴え、これまでに16人の国会議員から賛同署名をいただきました。この運動は、東京選出の国会議員53人全員の賛同を目標にがんばる予定です。)

原爆被害者の思いを訴える「私たちの手紙」運動

 2つは、東友会が新しく提起する「被爆67年 私の、私たちの手紙」運動です。これは被爆者だけでなく、被爆者手帳をもっていない原爆被害者である原爆孤児、遺族、家族、被爆二世をはじめ支援の人びとに、被爆67年目の被爆者と原爆被害者の暮らし、健康、心の実態と思いを「手紙」にして世界に訴えていこうというものです。

核兵器も原発もない世界へ被爆の実相普及と署名

 3つは、核兵器も原発もない世界をめざす運動です。東友会は、2012年7月20日から5日間、東京都庁南展望室で原爆展を開く予定です。5回目となる都庁での原爆展では、東京の被爆者の参加を広げるために、被爆当時の有様を描いた「被爆者の画」と被爆した食器、時計、被爆当時身につけていた衣服など、「被爆遺物」の提供をお願いして、展示することにしました。
 アメリカの原子力科学者会議が1947年からはじめた「世界終末時計」が2年ぶりに1分進められ、「世界終末まであと5分」となりました。オバマ米大統領が「核なき世界」をめざすと演説したことから、期待を込めて6分前に戻りましたが、その後アメリカはZマシンという新型の核兵器実験を重ねるなど核兵器廃絶への努力が影をひそめていること、イラン・北朝鮮の核開発疑惑などから、核の脅威が迫ったと判断されました。
 被爆者は、自らの声と運動で核兵器廃絶を訴えてきましたが、この声と運動がまだまだだったことも反省しないわけにいきません。
 このため東友会は、現在すすめている脱原発署名、非核3原則の法制化署名など、核兵器と核による被害を起こさせないための運動をいっそう強めることにしています。
2012年もがんばりましょう。

宮田さんが描かれた墨絵。老夫婦が細い山道を歩いている。背景には山が連なり、道脇には「是まで七十年」と書かれた道標がある。道標のわきには杉のような木が高くそびえている。段差だぞ 気をつけろよと 声かけて 枯葉の ような手を そっととる」の短歌が筆で書き込まれている。

三鷹市に住む宮田裕之さん(97歳)が、妻・知都子さんへの思いを描いた画。知都子さんは原爆症認定集団訴訟・東京第3次訴訟の原告として提訴後の2010年に逝去され、裕之さんは訴訟を引き継ぎました。死後1年半後の2011年7月に東京地裁で勝訴した後、東友会相談員へのお礼として贈られました。
(画と説明文は、「東友」の当記事内に掲載されたものです。記事にはこの画への言及はありませんが、紙面に合わせた形で掲載しています)