被爆者相談所および法人事務所
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いま都内の被爆者は? 「年末見舞い行動」から

 2011年12月、47回目の被爆者年末見舞い行動が都内41区市でおこなわれました。訪問者は、被爆者地区の会の役員と地区原水協の人びと。1月16日現在で東友会にとどいた連絡では、のべ102人が訪問活動に参加しました。訪問先は、都内各地区の被爆者の会が申し込んだ348人の被爆者の住まいや入院先。届ける見舞金は、東京原水協の人びとが職場や駅前などの街頭などで、原爆が投下された6日と9日を期して毎月よびかけて集めている被爆者連帯募金です。この訪問でわかった被爆者の姿の一部を紹介します。

 (まとめ・要約:編集部、掲載順不同)

原水協からのお見舞金が東友会役員に手渡された場面。
2011年12月に開かれた「お見舞金を贈るつどい」
港区 女性:80歳
 腰の痛みのブロック手術を受けたら歩けなくなったとのこと。車イスの生活をされていた。
品川区 男性:90歳
 3世代の家族に囲まれている。12月14日に立ちくらみがあり転んだので頭、腰などの検査を受け、以後車イスを使うようになった。
世田谷区 女性:80歳
 瓦礫となった自宅や当時の家族の写真、関連の新聞記事などを見せてくれた。証言の聞き書きをお願いしたところ了解していただく。
中野区 女性:84歳
 数年前夫を亡くして一人暮らし。両膝人工関節を入れる手術をして歩けるようになったので、ボランティアをしながらがんばっている。
杉並区 夫妻:92歳・88歳
 いつも訪問時には玄関まで来て話しするが、今回は出られないとのこと。脱水症状で2カ月入院。食欲や水分がとれず体力低下と。妻は「老々介護」で疲労こんぱいの様子。妻も肺炎で1カ月程入院した。
豊島区 男性:65歳
 膵臓に影があると診断され休職をしていたが、2011年から回復して仕事をはじめた。胎内被爆者だが、母から当時の話を聞いている。火傷した姉妹にウジがわいたのでとったことなどは人には話せないと語っていた。
北区 男性:78歳
 訪問するも不在。一人暮らしで、郵便物も溜まっていたので区議会議員に連絡。警察の力を借りて入院先がわかり訪問するも、その病院には入院していないとのこと。高齢者はすぐに転院させられるので、行き先を調べられず、見舞金は別の人に渡す。
江戸川区 女性:78歳
 一人暮らし。食べ物は自宅前のスーパーの惣菜で全て用立てている。胃腸障害があるので、お粥と味付けの薄い軽い物しか食べないとのこと。
三鷹市 女性:84歳
 成年後見人の司法書士に連絡。転倒して意識不明になり入院中で、長時間意識が戻らない。お見舞い貰っても処理に困るので辞退したいと。1月12日に司法書士から、亡くなられたとの連絡が届く。
練馬区 女性:77歳
 身体、聴覚が不自由なため外出がままならず、夫の援助が必要と。今後どのように生活して行けば良いのか心配されていた。
葛飾区 女性:86歳
 家の中で転倒し右手を骨折。今は全身が痛いとイスに座ったままで笑っておられた。娘と二人の生活だが、がんばってタバコの販売店をしている。
武蔵野市 男性:96歳
 何度も電話したがタイミングが悪くて4日目にやっと通じた。2012年のお正月は迎えられないかも知れないと医師に言われ家族でついていたと。約束した日も留守なので、見舞い品をポストに入れて帰る。夜遅く電話があり、改めて約束して訪問。お見舞い金を渡して話すと、家族は「どうにかお正月を迎えられそうです」と言われ安心した。
八王子市 男性:79歳
 脳梗塞の後遺症で右半身が麻痺している。杖をついて出ていたが、体力が衰え、一人暮らしができなくなり入院中。近くホスピスに転院するため八王子を離れる。
日野市 女性:82歳
 坂道の多いところで一人暮らし。「買い物難民」を心配していたが「手押しイス車」で何とか生活しています、とのことでひと安心。「みなさんのご支援に感謝しています。福島原発事故には怒りを持っている」と。
府中市 女性:82歳
 一人暮らし。心臓が悪く入退院をくり返している。自宅で酸素吸入器をつけて生活しているが、家での生活はなんとかできている様子。
立川市 女性:92歳
 介護をしていた娘が脳梗塞で倒れ、現在は有料老人ホームで生活している。常に筆談で、耳は全く聴こえない。会うといつも「死ぬまでに、もう一度広島に行きたい」と訴える。
昭島市 女性:77歳
 息子から、左腕と左足を骨折し、入院中だと聞く。病院を訪問して見舞金を手渡す。「遠くまで来てもらい申し訳ありません」と、大変喜んでいただけたが、息子に連絡をとるのがたいへん困難だった。
小金井市 夫妻:91歳・82歳
 夫は、1年前に原因不明の病気で入院したが、現在は回復。毎月検診に行っていると。妻は歩行困難のため治療しているが要支援1に認定された。「老々介護」。
国分寺市 女性:96歳
 長男と同居。2011年は杖をついて玄関へ出てきたが、2011年は手押し車につかまり、長男に支えられやっと出てこられた。何か言いたくて話そうとするが聞き取れない。喜びの表情が見られた。
稲城市 男性:82歳
 近く大腸検査の予定とのこと。ノドの放射線治療をおこなったと。要介護2、週2回ヘルパー訪問とのこと。「介護保険のサービスについて知りたい」とのことであった。東友会の「25のポイント」を渡して喜ばれた。