被爆者相談所および法人事務所
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「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」が発足

被爆者の経験とを次の世代に

 「ヒロシマ・ナガサキの被爆の実相をうけついで、ふたたび被爆者をつくらぬ実績を次の世代に伝えよう」という思いで呼びかけられてきた「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」の設立総会が、2011年12月10日、四谷の主婦会館プラザエフで開かれました。
 総会には、全国から、この日までに登録した123人の正会員、112人の呼びかけ人、賛助団体9団体のうちから110人が参加。会がNPO(非営利活動法人)として活動することをきめ、代表理事に岩佐幹三・日本被団協代表委員、副代表理事に安斎育郎・立命館大学名誉教授、池田眞規・弁護士、中澤正夫・医師、理事11人と監事2人を選任しました。
 総会では、「ノーモア・ヒバクシャを記憶遺産に!」と題する呼びかけを確認、「被爆者たちが長い時間をかけてたたかってきた人間の経験と志を歴史に埋没させてはならない」という思いで活動することを確かめあいました。総会後、呼びかけ発起人の一人である作家の大江健三郎さんが「受け継いで、さらに」と題する記念講演をおこないました。
 大江さんは、1100ページにおよぶ「原爆症認定集団訴訟たたかいの記録」を高く評価し、裁判記録に表れたような被爆者の証言・手記は「原爆を受けた後の66年を生き、人間であることを磨いてきた人びとの文章」だとのべ、「ノーモア・ヒバクシャは重要なことばだ、それを運動の中心に掲げ、遺産として人びとの記憶にとどけ共有しようというこの運動の大きな発展を願っている」と結びました。
 参加者からは、「待ちに待った設立」「被団協がやろうとしてできなかったことを、みなさんの力で発足できたことはうれしい。世界のセンターとなって、夢とビジョンを、壮大に打ち出したい」「人間絶滅の危機を免れるためには、原爆の被害を、被害を受けなかった人が自らの記憶とすることが大事」など、歓迎のことばが相次ぎました。会は今後、「ノーモア・ヒバクシャ通信」を発行するなどして、会の活動を拡げ、会員を増やしていくことにしています。

ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会
住所 〒002-0085 千代田区六番町 プラザF6階
電話・フアックス 03-5216-7757
郵便振替口座 00170-5-694752(口座名義 ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産基金)

主婦会館プラザエフにて。参加者を前に講演する大江健三郎氏。
設立総会では大江健三郎氏の講演も
(写真提供:前川史郎)