お部屋で手軽にストレッチ運動 (1)ストレッチを始めよう
監修:平山雪野
ストレッチとは「伸ばす」という意味で、運動においては「筋肉を伸ばす」という意味で使われます。高齢者ができるストレッチの種類は多く、その利点もたくさんあります。
ストレッチをおこなうと、筋肉だけでなく関節まわりも伸ばされ、結果として関節の動きがなめらかになり、転びにくくなります。体を動かすことで、血液やリンパの流れがよくなり、新陳代謝が上がり、リラックス効果があります。
ひとつの動作は簡単なものなので、時と場所を選ばずにできます。お風呂上がりや目覚めてベッドから起き上がる前、仕事や家事の合間などに、部屋のなかでおこなって十分に効果があります。
ひとつの形をおこなう時間の目安は20秒から30秒です。身体の片側ずつおこなうストレッチは、必ず反対側もおこないます。
ストレッチを始めるにあたって、次の点には気をつけてください。
- 全身の力を抜き、呼吸しながらおこなうこと
- 力まず、安定したリズムで吸う・吐くをくり返してください。ストレッチの形に入ったら、大きく吸い込み、ゆっくり息を吐きながら、筋肉を伸ばしていきます。息を止めて力むような動作は厳禁です。
- 反動をつけずにじわじわと伸ばしていくこと
- ストレッチの極意は、勢いをつけずに筋肉を伸ばすことにあります。静止した状態からゆっくり伸ばして気持ちがいい範囲の運動で十分です。続けていくうちに動かせる範囲も広がっていきます。入浴後など体が温まった時におこなうと、筋肉が伸びやすくていいでしょう。
- 痛みを感じるようなストレッチをしないこと
- 体力や柔軟性は一人ひとり違い、調子がいい日も悪い日もあります。痛みを感じるようなストレッチはしないでください。「無理」や「がまん」は禁物です。
何らかの疾病があって整形外科にかかっている人は、医師の指示に従ってください。
次回からは、高齢者にお勧めのストレッチの形を紹介していきます。