【連載】被爆者医療ドクター訪問
中村直也医師
中村先生は1959年2月、お父様の留学先の米オハイオ州コロンバス生まれ。生後6カ月で帰国しました。日本到着時は伊勢湾台風で新潟に到着せざるをえなかったそうです。東京で育ち、1988年に浜松医科大学を卒業後、小豆沢病院内科に勤務、専門は腎臓内科で、透析室医長、副院長を歴任されました。2014年1月に退職し、同年2月から企業の産業医を勤めています。
被爆者診療には、小豆沢病院に勤務して7年後ぐらいから携わり、以後18年間診療してきました。2014年3月、練馬区光が丘区民センターで開かれた東友会医療講演会での講演「被爆者の診察からみえること」で、中村先生の被爆者診療についての考え方を聞いた人もおられるでしょう。それによれば、被爆者は「内分泌腺機能障害」、とくに糖尿病が顕著とのこと。糖尿病は免疫力を低下させ、その結果、感染症・合併症を引き起こす怖い病気であり、一生治らない病気である、ということを注意しています。
先生は、現在も週2回、小豆沢病院の外来で、私たち被爆者の診療に当たられています。(出田卓)