【訂正・再掲】第2種特例受診者(長崎被爆体験者)の医療費助成が拡大
「東友」481号(2024年11月)に掲載した「第2種健康診断受診者証」の制度の紹介に不十分な内容と誤りがありました。お詫びし、あらためてこの制度について紹介します。
「第2種健康診断受診者証」を持つ人(長崎被爆体験者と呼ばれる)に対して、2024年12月1日から被爆者と同等の医療費助成が始まりました。
第2種健康診断受診者証とは
原爆投下当時、国が定めた長崎の爆心地から半径12キロメートル以内の地域に住んでいた人で被爆者健康手帳や「第1種健康診断受診者証」の対象以外の人が申請できるもので、長崎だけが対象です。
「第1種健康診断受診者証」とは、長崎では当時の西彼杵郡の長与村、福田村、式見村、三重村、矢上村、茂木町などの指定された場所です。一定の病気にかかると被爆者健康手帳への切り替えができ、医療費助成や手当の受給ができます。
しかし、「第2種健康診断受診者証」は、現状では被爆者健康手帳への切り替えはできません。当時、実母がこの地域にいて、原爆投下後から1946(昭和21)年6月3日までに生まれた人(胎児だった人)も対象になります。
第2種健康診断特別区域医療助成:2024年12月から
2024年12月からは、「第2種健康診断受診者証」を持つ人が被爆者の健康管理手当に該当する病気にかかった場合、被爆者と同じように医療保険を使った医療費の自己負担分に助成が受けられることになりました。被爆前からかかっている精神疾患、遺伝性・先天性の病気、神経まで届かない軽い虫歯の医療費は対象外です。
東京都内に住む人で「第2種健康診断受診者証」の交付を受けていない人は、まず東京都に申請して「受診者証」を受ける必要があります。その後、長崎市に申請して「第2種健康診断特例区域医療受給者証」の交付を受けることになります。
この場合の助成は、「償還払い」です。つまり、病院などの医療機関のその場で無料になるのではなく、窓口でいったん支払ってから、領収書などを添えて長崎市に申請し、払い戻しを受けるかたちになります。
被爆体験者精神医療受給者証:そのまま継続
これまで、「第2種健康診断受診者証」を持つ人で指定された病気にかかっている場合は、「被爆体験者精神医療受給者証」が発行され、医療費助成が受けられました。
2024年4月から対象疾患が増やされましたが、それでも「被爆体験による精神的要因に基づく」疾病とされ、がん治療については、胃がん、肝がん、膵がん、大腸がん、胆のうがん、乳がん、子宮体がんの7種類に限られていました。
この施策は、現在も継続していますので、「被爆体験者精神医療受給者証」を持つ人はそのまま利用できます。