一般社団法人東友会 第71回総会
核兵器なくせ/原爆被害への国の償い 二本柱の運動を
70歳代を中心に新しい役員を選出

 2019年6月2日、一般社団法人東友会第71回総会が平和と労働センターで開かれ、70歳代の被爆者を中心にした執行体制を確認し、核兵器廃絶と原爆被害への国の償いを求める運動をすすめ、被爆者相談事業の一層の重要性を確認し合いました。

 一般社団法人東友会の会員は、東友会を支える被爆者地区の会から推薦された88人の被爆者などと、医師、弁護士、医療関係者、平和団体、被爆二世など22人をあわせて110人。総会には委任状を含めて、このうちの103人が参加しました。
 総会では、大岩孝平代表理事の開会挨拶の後、ノーモア・ヒバクシャ訴訟東京原告団を代表して、山本英典原告団長と綿平敬三さんが950万円余の東京原告団からの募金を贈呈しました。
 総会に寄せられたメッセージが紹介された後、木村一茂・中西俊雄会員を運営委員に、湊武理事と小川新七会員を議長に選出し、定足数を確認して議事に入りました。
 最初に山田玲子執行理事が、東友会にとって画期的な年となった1年間の事業と内外の被爆者をとりまく情勢を分析した「基調報告案」を提案しました。「基調報告案」は、東友会結成60周年事業の成功とノーモア東京訴訟の原告32人全員が完全勝利したこととともに、「地区なんでも相談会」の成功と、東友会事務局の相談事業の成果を高く評価。被爆者の高齢化により東京在住被爆者が5000人を切り最高時の半数以下となるなかで、東友会の活動の維持と継続の重要性を確認し合うものになりました。
 つづいて、2019年度から20年度の法人理事、監事についても、提案された全員が承認されました。

 2018年度の事業報告の提案は、これまで毎年スライドを作成してきた村田未知子執行理事が担当。会員の活躍する写真と表やグラフを載せた37枚のスライドを使って、結成60周年事業の運動の様子とともに、署名運動、追悼事業、被爆証言や原爆展、相談会などで活躍する被爆者の写真を映写しながら、軽妙な口調で提案しました。
 昼食後は、濱住治郎執行理事が2018年度の決算について提案。法人の事業を遂行するための支出はほとんど予算内で執行できましたが、会費、一般の寄付金が減少したため東京都原爆被害者協議会から550万円の寄金を受けたことを紹介。奥田豊治・内藤雅義(弁護士)監事が、会計と理事の業務執行についての監査報告をおこない、会計報告の内容に質疑応答のあと、基調報告、事業報告、決算、監査報告が全会一致で承認されました。
 2019年度の事業方針については、家島昌志・新代表理事がエピソードを交えてわかりやすく提案しました。おもな内容は、被爆の実相普及、原爆被爆者への国の償いを求める運動、原爆症認定制度の抜本改定と東友会の事業の普及などでした。
 予算案については、濱住執行理事が、2020年のNPT再検討会議への代表派遣にむけた実相普及募金をよびかけることなどを提案しました。
 討議では、4月NPT再検討会議に向けた日本被団協の国連での行動、核兵器禁止条約に対する政府の対応、被爆者手帳が使える医療機関について、「原爆被害者の墓」建立の経緯などについて質問がだされ事業計画案と予算案についても全会一致で承認されました。
 総会の最後に、40年近く東友会を支え続けてきた山本英典・前執行理事の閉会のことばで終了しました。
 総会の後は、大岩・前代表理事の退任の挨拶、第1回理事会で選任された法人の役員を、家島・新代表理事が紹介しました。

「定期総会」の横幕かかかった会場、会場前方に役員らが立っている。参加者は自席に着席している。
新しい執行体制で運動の継続を確認し合った東友会総会

新・代表理事のあいさつ 二度と核兵器が使われない世界を 家島昌志

家島昌志さん

 図らずも本年の総会で代表理事を承ることになりました。
 被爆者の高齢化はやむを得ない現実で、より年若い者が運動の後を継ぐのが世の習いでしょうが、私たちの団体は事情が異なります。一番若い胎内被爆者の後にはもう続くべき者がいないのです。ピーク時に1万人を超えた東京の被爆者もこの3月でついに5000人を割りました。
 被爆者がいなくなるということはある意味では幸いなこととも言えます。苦しみも差別も無くなり国の行政も何ら対策を打たなくて済むからです。しかし、私たちが強く願ってきたのは人類が二度とこんな悲劇を体験することがない世界を実現することです。
核戦争はもはや兵隊同士の戦いではありません。人類の滅ぼし合いであり、人間を人間でなくします。人道的にも決して許されません。核戦争となれば、かけがえのない地球は人の住めない星と化してしまうでしょう。
 ここ一世紀の文明の進歩は驚くべきもので、兵器の進歩は原子爆弾という恐るべき兵器を生み出しました。2年前に国連で採択された核兵器禁止条約を巡る世界の動きもまた急激です。そっぽを向く核兵器保有国とその傘に守られた追随国や、ふがいない日本政府。条約の発効と核兵器廃絶の実現までの道のりはまだまだ遠いのが現状です。
 “今日まで核兵器の使用を抑止しできたのは被爆者の証言活動である”という励ましを糧に、皆さんと手を取り合って目的に向かい前進したいと考えます。

東京都原爆被害者協議会が総会
休会する地区の会が増えるなか東京の運動を継続できる組織を

 東京都原爆被害者協議会第63回総会は、6月2日に平和と労働センターで開かれた一般社団法人東友会第71回総会の前に開かれました。
 協議会と法人の総会は、木村徳子協議会理事と熊田育郎協議会常任理事の司会で進められました。
 総会には地区の会から登録された85人と地区の会が休会となった区市に住む被爆者から協議会三役会議が推薦した3人を合わせ88人の構成メンバーのうち80人(うち委任状21人)が参加。運営委員に綿平敬三常任理事、議長に石飛公也常任理事を選出し、議事がすすめられました。
 協議会総会は、事業報告、事業計画は一般社団法人東友会と同一であり、協議会総会の構成メンバーは全員が法人会員に選出されているため、決算と予算、役員選出が議題となりました。
 決算報告と予算案は、濱住治郎会計担当常任理事から、協議会に納入された会費の総額は、法人に寄付し、法人の事業を遂行するために使用されたことが報告され、奥田豊治・広中弘道両会計監事が監査報告をおこない、全員の拍手で承認されました。
 つづいて、推薦委員会の奥田豊治委員長が、協議会の会長、副会長、会計監事と常任理事、専門委員会が事前の委員会で選出した委員長、副委員長、東友会が日本被団協に派遣する代表理事と全国理事について提案し、全会一致で承認されました。
 2019年は、会長に家島昌志副会長が就任。副会長に新しく石飛公也、濱住治郎、湊武常任理事が、常任理事に木村一茂さんと木村徳子さんが加わり、協議会役員のほとんどを70歳代の役員で構成する役員体制が確立しました。
 名誉会長と顧問については家島昌志代表が提案。長年東友会役員として活躍してきた大岩孝平会長が名誉会長に、療養中の山本英典副会長が顧問に就任しました。

会場の前方から参加者の席の方を見た写真。演台で発言する人や議長団も手前に写っている。
報告に耳を傾ける出席者たち