東友会総会 被爆70周年へ核戦争の生き証人として学び行動しよう
一般社団法人東友会第66回総会が、2014年6月1日に平和と労働センターで開かれ、オブザーバーの地区の会の代表を含めて95人が参加しました。
総会は、堀場和子理事と湊武会員の司会で進行し、140人の会員のうち92人(委任状が別に38人)が参加。大岩孝平代表理事の開会のあいさつの後、メッセージが紹介されました。運営委員に村田未知子執行理事と吉田みちお会員を、議長に出田卓理事と藤澤汎子会員を選出し、定足数を確認したのち、議事に入りました。
総会では、この1年間の主要な動きを整理した「基調報告案」を大岩代表理事が提案。情勢については、「いま世界が不安視するほど、日本の政治の流れが大きく変わっています」と、「特定秘密保護法」案の可決、集団的自衛権行使への道を開こうとする政府の動きを危惧し、核戦争の生き証人として学び行動する重要性を指摘。原爆被害に国家補償を求める「国の償い実現運動」の成功とノーモア・ヒバクシャ訴訟の勝利をめざそうと呼びかけました。
2013年度事業計画は、山本英典執行理事が提案しました。事業計画は、2015年に迫った「被爆70周年の事業を有意義に迎えるための土台を固める年に」にすることを柱としてまとめられました。2014年度重点には、(1)核兵器廃絶の世論を広げ、核兵器も原発もゼロにすることを求める、(2)被爆者援護法を国家補償の法に改正させる、(3)平均年齢が80歳になろうとする被爆者を中心に構成する東友会の長期展望と相談事業のいっそうの強化、(4)ノーモア・ヒバクシャ訴訟の勝利をめざす運動、(5)東友会結成55周年事業として実施した被爆者と被爆二世の調査結果を生かして国や東京都への要請を強めること、さらに東京都が主催する原爆死没者の追悼事業の実施、憲法改正問題での学習も掲げられました。
討議では、原爆死没者への償い問題での質疑応答もあり、充実した会となりました。
高齢化、地区の会の休会などが加速するも 「希望の目」をもって運動をすすめよう
一般社団法人東友会第66回総会の2013年度事業報告は、結成55周年事業を中心に展開した各種の事業について、家島昌志執行理事がスライドを使って提案。原爆症認定全国弁護団連絡会の事務局長でもある宮原哲朗理事から、原爆症認定制度の改定問題での新しい局面についての特別報告がありました。
家島理事は、最初に、東京の被爆者手帳所持者は、2013年度末で6261人となり、最高時の1987年度の60%、平均年齢が78.5歳になり、7%が介護手当を受けていることを報告。スライドを使いながら、東京都との懇談会、原爆症認定関連での厚労省の専門家会議の傍聴、原爆症認定ノーモア・ヒバクシャ訴訟への支援、初めて東京都が主催し東友会が実施主体となった「原爆犠牲者追悼のつどい」、東友会結成55周年事業、生協連や地婦連、原水協、第五福竜丸平和協会など市民・平和団体との共同行動についても報告し、「東友」の月刊体制が東友会の組織と事業を支えていること、東京の被爆二世の会「おりづるの子」の結成について報告しました。一方で地区の会の休会が増え、東友会の機構全体についての検討をいそぐ必要があることを提起しました。
宮原理事は、2013年12月に「新しい審査の方針」が再々改定された後、厚生労働省が地方裁判所の判決に対して、「基準」改定前には1件もしなかった控訴をしたこと、東京地裁と大阪地裁に新しい膨大な準備書面がだされていることを報告。厚労省は、残留放射線の影響を無視した「科学的知見」を使いながら、被爆者側の主張と全面対決する様相になっていると分析しました。一方、記憶があいまいになった高齢被爆者、被爆当時の記憶がない若年被爆者の原告が増え、被爆状況の証明が困難になっていることにもふれ、ノーモア・ヒバクシャ訴訟への支援強化が求められることを強調しました。
総会は、その後、山田玲子執行理事が、「鋭い目」で情勢を見つめ、「希望の目」をもって運動を成功させようとの「決議」を提案しました。
役員は2年任期のため、今回の改選はありません。