「被爆者調査」中間報告 記者会見で公表
「戦争であっても原爆投下は許せない」「被爆者特有の不安が大きい」
2013年7月25日、東友会は結成55周年事業としてすすめている東京原爆展の開催と被爆者実態調査について、都庁で記者会見をしました。
会見には、大岩孝平代表理事と5人の東友会業務執行理事のほかに、調査の解析にあたった専門家3人が参加。最初に大岩代表が今回の原爆展について、「東京に生きる被爆者」をテーマに広島・長崎の被爆から今につながる展示を企画していると報告。被爆二世の全面的な協力を受けていることを紹介しました。
2013年1月に実施した原爆被爆者実態調査と被爆二世実態調査の目的を山本英典業務執行理事が報告。解析が進んでいる被爆者を対象にした調査の数字データの部分について、八木良広さん(立教大学社会学部講師)、根本雅也さん(一橋大学大学院社会学研究科特任講師)、深谷直弘さん(法政大学大学院博士後期課程)が解析した内容を、八木さんが報告しました。
解析の要点は、(1)東京在住被爆者の7割が「不安」を感じている、(2)7割強が病気を抱え、ガン、心臓疾患、白血病の罹患率が特に高い、(3)ガン検診の受診率が低い、(4)8割以上が、戦争であっても原爆投下は許せないことだと回答し、被爆の実相普及を重要視している、と報告。「不安」については、自分と子孫への放射線の影響と発病の恐怖という「被爆者特有の不安」が上位を占めること、通院治療や一般の老人検診を受けているのに、被爆者のガン検診を受けない傾向がつよいのは、受診体制の問題だと分析し、受診しやすい体制の整備が必要だと報告しました。原爆投下への評価や体験継承の重要性を8割以上が感じていることについては、被爆者の核兵器廃絶と平和希求の願いがつよいことを強調しました。
調査に回答した被爆者の姿については村田未知子業務執行理事が相談員の立場から、調査に回答し4月末に縊死した被爆者の事例などをあげて報告しました。
東友会は、被爆二世の回答をふくめた調査の解析には、2年程度を予定し、11月には第1次報告集を発行する予定です。