一般社団法人東友会総会 一般社団法人への移行後に初
「原爆も原発もゼロに」の世論を背景に相談活動、実相普及などに全力を
一般社団法人東友会第64回総会が2012年6月3日、新定款に基づき初めて被爆者以外に認められた医師、弁護士、被爆二世などの会員も参加して開かれました。
今回の総会は、一般社団法人に移行後初めての総会。147人の会員中95人が参加し、委任状は40人でした。
総会では、飯田マリ子代表理事が法人移行にふれてあいさつした後、山本英典副会長が基調報告。都内の在住被爆者の高齢化がすすんでいる、しかし世界での核の脅威はいまだになくならず、国内では福島原発事故による放射線汚染の不安の渦中にあることなどをあげ、「核兵器と原子力発電は、核の軍事利用と産業利用の違いがあるだけで、メダルの表裏」であり「原爆も原発もゼロに」という世論が盛り上がっていると提案しました。
2011年度事業報告 被爆者をとりまく情勢
大岩孝平副会長がおこなった2011年度事業報告では、都内在住被爆者が6758人に減り、平均年齢は77歳、原爆症認定と介護手当や医療・介護の相談が増え、2012年最高齢者が66歳になる被爆二世からの相談も急増、一年間の相談件数が初めて2万件を突破したことを強調しました。
さらに2011年終結した原爆症認定集団訴訟の経過や厚労省への働きかけなど東京の被爆者団体としての運動を紹介、20人の被爆者と遺族が新しく認定訴訟に立ち上がったことも報告。支援者・都民と連帯してすすめている相談世話活動、被爆の実相を伝える事業、原爆死没者と遺族への慰霊事業など、一年間すすめてきた事業が紹介されました。
決算報告は木場耕平常務理事がおこない、吉兼實、渡部昭彦の両監事が会計と事業についての監査結果を報告。討議の後、これらの提案は全会一致で承認されました。
2012年度事業計画 一般社団法人を中心に
2012年度の事業計画の更正案は、山田玲子常務理事が担当しました。山田常務理事は、これまで協議会と連名で主催してきた都庁展望室での原爆展を法人の事業として5日間開き、新しい原爆展パネルを普及して被爆の実相普及を強めること、核兵器の廃絶とともに原発ゼロを求めて運動をひろげることや、相談事業のいっそうの強化、新しい原爆症認定裁判を支援などについて提案。一般社団法人東友会と協議会の併合にむけた検討をすすめることも提案しました。
つづいて、これらの事業を支える更正予算案を木場耕平常務理事が提案し、質疑の結果、事業計画、予算とも全員一致で承認されました。
新役員の人事では非被爆者の理事・監事も
新しく一般社団法人東友会の事業をすすめる役員は、被爆者のほか、医師の児嶋徹さん、弁護士の内藤雅義さん、宮原哲朗さんなど非被爆者4人を含む15人が推薦され、全員が承認されました。
総会後は選出された理事による第1回理事会が開かれ、代表理事に飯田マリ子さんを選出。業務執行理事に5人を互選しました。