原爆症認定ケースbyケース
「東友」5月号で紹介した後、東友会を通じて原爆症認定申請をした被爆者のうち9人が認定され1人が却下されましたので紹介します。(2012年5月18日から6月16日)
東友会扱いで現在原爆症認定の審査結果を待っている人は27人、この人びとの申請期間は、2008年5月から2012年5月末まで。却下処分に対して9件の異議申立を被爆者と遺族が提出しています。(提訴者をのぞく)
原爆症認定の審査では、申請する病気が「原爆放射能に起因する(起因性)」と認められた上に、その病気が「現に医療を擁する状態にある(要医療性)」という、ふたつの条件を満たしていることが求められています。この審査の「要医療性」に関して、新しい特徴がみられます。
これまで一般的にガンは、手術や治療が終わった後、再発していない場合でも5年間は経過観察が必要なため「要医療性」が認められてきました。ところが皮膚ガンの前ガン状態ともいわれているボーエン病は手術直後に申請すれば認定されていますが、手術後1年を超えた申請が却下されています。
認定
申請病名 | 性別 | 被爆時年齢 | 被爆状況 | 申請年月ほか |
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転移性肝ガン | 女性 | 17歳 | 長崎1.0キロ直爆 | 2009年11月申請、2010年5月死去。 |
膵臓ガン | 女性 | 18歳 | 長崎8月10日入市 | 2011年4月申請、2011年9月死去。 |
胃ガン | 男性 | 5歳 | 長崎5.0キロ直爆、8月9日入市 | 2011年9月申請。 |
上行結腸ガン | 男性 | 20歳 | 長崎3.0キロ直爆 | 2011年9月申請、2011年12月死去。 |
肺ガン | 男性 | 5歳 | 長崎2.6キロ直爆 | 2011年10月申請。 |
胃ガン・肝細胞ガン | 男性 | 15歳 | 広島2.5キロ直爆 | 2011年10月申請。 |
胃ガン | 男性 | 15歳 | 広島1.8キロ直爆 | 2011年10月申請。 |
白血病 | 男 | 5歳 | 長崎2.4キロ直爆 | 2011年11月申請。 |
狭心症 | 男性 | 15歳 | 広島1.0キロ直爆 | 2011年11月申請。 |
却下
申請病名 | 性別 | 被爆時年齢 | 被爆状況 | 申請年月ほか |
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ボーエン病(皮膚ガン) | 男性 | 14歳 | 広島0.8キロ直爆 | 2011年11月申請。 |