被爆者相談所および法人事務所
〒113-0034 文京区湯島2-4-4平和と労働センター6階
電話 03-5842-5655 ファックス 03-5842-5653
相談電話受付時間
平日 午前10時から午後5時、土曜 午前10時から午後3時

2011年度相談件数が2万件を突破 東友会の相談事業はいま

 東友会は、2013年11月に結成55周年を迎えます。結成当時から東友会は事務所に非被爆者の事務局員を配置して被爆者からの相談に対応。4年後からは東京都知事の委託事業をうけ、東京都と連携した相談事業をすすめてきました。委託事業を受けて50年となった2011年度、その相談件数が2万件を突破。これまでの最高の件数になりました。

東友会相談所の体制は

 東友会の相談件数が1万件を超えたのは、2000年度でした。この年、介護保険制度がはじまり、これに関する相談が2713件寄せられました。その後10年間の推移と内容はこのページ最下部に掲載した表のとおりです。

医師、弁護士などの専門家とも連携

 さらに東友会は、専門家の支援も受けています。顧問の園田久子医師は、毎月、東京都の委託事業の医療相談に対応し、被爆者の相談や原爆症認定集団訴訟を長年支えてきた児嶋徹医師と向山新医師も、新しく一般社団法人東友会の理事や会員として参加し、医療問題での相談体制を強めています。
 被爆者の相談に不可欠な法律家も原爆症認定訴訟弁護団に参加している宮原哲朗理事、内藤雅義監事をはじめ、新宿区、大田区、北区、八王子市、武蔵野市にある法律事務所の弁護士が一般社団法人東友会の会員として参加して、相談事業に協力しています。

相談の内容、方法も多様

 東友会事務所で対応している相談の9割は、電話や手紙で寄せられます。最近の傾向としては、東友会のウェブサイトを見て電子メールによる相談も増えているのも特徴です。
 2011年東友会が受けた2万件を超える相談の5割は被爆者の手当や医療費などに関するものです。残りの2割が介護保険制度など被爆者援護法以外の医療や福祉関係、1割が被爆二世の医療費助成などとなりました。

近年は介護の相談が増加

 年間をつうじて多いのは、一般(他人)介護手当に関するものです。担当の的早相談員と清水相談員は、112人の被爆者の一般介護手当の申請を毎月手伝っています。これは東京都が対応しているこの手当受給者の8割を超えます。
 一般介護手当の申請は、毎月、介護保険のホームヘルプを利用した日・時間帯と介護保険以外に被爆者が頼んでいる介護人が介護をした日と時間帯が重なっていないかをチェックし、領収証の金額と申請額をチェックするなど、細かい作業が必要です。

原爆症の認定申請は緻密な対応が必要

 原爆症認定と医療特別手当の担当は村田相談員。新しい基準ができて4年がすぎ、毎月の申請は数件に落ちつきました。しかし、申請に必要な検査結果報告書がそろわない事例が多く、相談員が医師に手紙を書いてお願いすることがしばしば。被爆から67年がすぎ、被爆状況の確認にも手間がかかっています。とくに、遠距離で被爆した後に中心地に入った人は、記録がないことが多く、東京都の協力をえて調べることが増えています。医療特別手当を受けている人が3年に1度提出する健康状況届は、4月から104件に対応。これは東京都の対象者の8割を超えています。

地区ごとの相談会の講師活動も

 村田相談員と的早相談員は、地区の会がひらく相談会で講師を担当しています。
 地区の相談会は、毎年25カ所くらい開かれます。
 2012年度は4月に青梅市、板橋区、江戸川区、多摩市で、5月には品川区、国分寺市、港区、府中市、6月には杉並区、武蔵野市、練馬区、あきる野市、中野区、足立区、町田市、文京区、北区と、17カ所で相談会が開かれています。
 どこの相談会でも東友会相談員は大歓迎を受けます。「おいでくださると聞いて参加しました。お世話になって」と、あいさつにくる被爆者が多く、相談会の翌日にはほとんど参加した被爆者から電話での問い合わせがあります。

相談員が立って資料を示しながら話をしている。長方形に並べられた机に着席した参加者は資料に目を落とすなどしながらそれを聞いている。
都内各地区ごとにきめ細かな相談会も(写真は江東区での相談会)

東友会原爆被爆者相談所 最近10年間の相談実績の推移

 社団法人東友会原爆被爆者相談所の相談員が実施した相談事業の内容別・方法別の一覧です。
 相談内容別の分類は、東京都健康局に委託事業として報告する書式の分類になっています。

2002年から2011年における相談実績の推移
  相談件数総計 相談内容別件数
被爆者援護法関係 患者健康指導 家族調整 生活保護法適用 他社会福祉法関係 入院斡旋 施設斡旋 その他 被爆二世関係
2002年度 年度計 13,735 7,554 1,188 0 26 2,085 18 404 1,580 880
月平均 1,145 630 99 0 2 174 2 34 132 73
2003年度 年度計 14,688 9,196 655 19 35 702 41 250 1,726 2,064
月平均 1,224 766 55 2 3 59 3 21 144 172
2004年度 年度計 13,901 9,485 916 18 11 996 41 336 401 1,697
月平均 1,158 790 76 2 1 83 3 28 31 144
2005年度 年度計 11,291 6,667 907 2 7 1,586 8 209 599 1,306
月平均 941 556 76 0 1 132 1 17 49 109
2006年度 年度計 14,869 8,962 1,142 2 10 2,071 17 307 781 1,577
月平均 1,239 747 95 0 1 123 1 26 115 131
2007年度 年度計 18,193 10,849 1,334 17 28 2,581 27 483 1,036 1,838
月平均 1,516 904 111 1 2 218 2 40 85 153
2008年度 年度計 16,237 9,416 1,294 2 37 2,661 20 435 657 1,715
月平均 1,353 790 108 0 3 222 2 36 49 143
2009年度 年度計 18,064 8,866 1,538 4 81 3,548 20 650 888 2,469
月平均 1,367 739 128 0 7 296 2 54 73 206
2010年度 年度計 18,730 10,058 1,229 6 39 3,134 22 494 809 2,939
月平均 1,561 838 102 1 3 261 2 41 68 245
2011年度 年度計 20,061 10,794 1,370 6 116 3,556 34 662 932 2,591

 

月平均

1,672 900 114 1 10 296 3 55 77 216

【備考】「他社会福祉法関係」の項目には、介護保険制度に関する相談を含む。