【連載】役員の紹介「八十路を越えても」
東友会を支える80歳以上で元気に活躍する東友会のみなさんを順次、紹介していきます。
第11回 協議会理事(武蔵野) 水野潔子さん
爆心地から1キロメートルの広島女学院で被爆し、なんとか生き延びましたが、原爆症で生死の境をさまよいました。17歳のときです。家は焼かれ、母親は亡くなり、骨折した父親の治療のため、2カ月後いっしょに上京しました。
芯の強い人で、青山学院を卒業して教育関係の仕事を定年まで全うしました。途中、大学教授のご主人と出会い、被爆の不安を抱えていた水野さんは、「もし障害児が生まれても後悔しない」という頼もしい言葉を信じて結婚しました。いまでは元気な2人の娘と3人の孫に恵まれ、幸せに過ごしています。
東友会と武蔵野けやき会には、長年役員として関わり、被爆の証言や執筆などで活躍してきました。
核兵器禁止条約ができ、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)がノーベル平和賞を受賞して、被爆者の声が世界に認められました。「あのとき」は心と身体に大きな傷を負った水野さんも、89歳にしてやっと何か報われたという思いではないでしょうか。
平均寿命が延びた昨今、これからも益々のご活躍が期待されます。(梅岡功)