【連載】役員の紹介「八十路を越えても」
東友会を支える80歳以上で元気に活躍する東友会のみなさんを順次、紹介していきます。
第5回 実相普及委員会副委員長 木村徳子さん
10歳の時、長崎市新地町(爆心地から3.6キロ)の自宅で被爆。その日も爆心地に近い町に向かうところでしたが、母親の忠告で外出を止めたとのこと。外出していたら命を失っていたかも知れません。
短大卒業後は長崎放送に入社。アナウンサーとして、ニュースなどで原爆を取り上げることはあっても、自分の被爆については一度も語ったことはありませんでした。「被爆者への差別を感じることがあった」からだそうです。
その後、結婚を機に上京。子どもを産むかどうか悩みました。戦後60年以上も経って、ご本人ばかりか娘さんも同じ病気を患いました。「原爆は一代では終わらない」と訴えます。
被爆体験を封印していた時期もありましたが、その後は20年以上も証言者として活動しています。今でも語る苦しみはありますが、それでも証言を続けるのは「再び被爆者をつくらない」との思いからです。
現在は世田谷同友会の会長としても活躍中。わけても「ヒバクシャ国際署名」運動は、区長を始めとして世田谷区全体の運動に発展しています。(広中弘道)