東京在住の被爆二世・三世のみなさんへ 「東京被爆二世の会」へのお誘い
「東友」2013年5月号でも報じられたとおり、2013年4月に、東京在住の原爆被爆者の二世・三世らによって、「東京被爆二世の会(通称・おりづるの子)」が結成されました。4月21日の結成総会では、参加者29人で、「結成のことば」(別掲)を確認し合い、会則を定め、運営委員9人を選出しました。
東京被爆二世の会は、その会則で、次の四つの目的を掲げています。
- 被爆二世・三世どうしの交流・情報交換を進め、相互に支え合う
- 被爆二世・三世の健康問題について認識を深め、その改善・解決に取り組む
- 核兵器も戦争もない世界の実現を求める
- 「ふたたび被爆者をつくらない」という、原爆被爆者たちの長年の願いを受け継ぐ
現在は、おもに事務局体制の整備などを進めている段階ですが、それと並行して、会員から集めたアンケートなどを参照しながら、会としての活動を順次具体化していきたいと考えています。
その後も問い合わせや入会申し込みがあり、6月15日現在、会員数は38人になりました。
東京在住の被爆二世・三世のみなさん、どうか東京被爆二世の会(おりづるの子)にご参加ください。多くの方がたと語り合い、誰もが気兼ねなく平和で健康に暮らせる世の中のために、ともに歩んでいくことを、心から願っています。(事務局長 吉田みちお)
東京被爆二世の会 結成のことば
私たちは、東京在住の原爆被爆者の二世・三世です。
2012年4月から、「東京被爆二世交流会」として集まりを重ねていくなかで私たちは、被爆二世どうしが集まると、すんなりとお互いの気持ちが分かち合え、何かほっとできる心の安らぎがあり、初対面とは思えない親近感、一体感が生まれることに気づきました。
きびしい病苦や偏見とたたかい続ける親を見てきた被爆二世がいます。原爆被害への補償を求める裁判に親とともに参加した被爆二世がいます。亡くなった親の被爆者としての思いに最近気づいたという被爆二世がいます。自分の病気と放射線の影響との関連に思い悩む被爆二世たちがいます。子や孫たちの未来に思いをはせる被爆二世たちがいます。
2011年3月、東日本に広範な被災をもたらした地震・津波・原発事故は、放射線にかかわる出来事が人間や環境にもたらす災いの甚大さ、深刻さを思い知らせました。広島・長崎の原爆被害、放射線被害は、けっして過去の出来事ではなく、姿や形を変えながら、いまそこにある危機として、私たち人間社会を根底から脅かし続けているのです。
いま私たちは、「東京被爆二世交流会」の積み重ねを踏まえ、「東京被爆二世の会」を立ち上げることにしました。被爆体験を背負い、周囲に理解してもらえない悩みや苦労を抱えて、私たちを生み育てた親を見てきた被爆二世・三世が、集い合い、誰もが平和で健康に暮らせる世の中を求めて活動したいと願ってのことです。
親の背中を通してヒロシマ・ナガサキを身近に知り、いま「フクシマ後」の21世紀を生きる私たち被爆二世・三世が集まって、私たちだからできることがあるはずです。東京に住む多くの被爆二世・三世のみなさんが、今日この場から、力を合わせて、ともに進んでいきましょう。
2013年4月21日
東京被爆二世の会 結成総会