厚労省 原爆症認定制度「検討会」 「残留放射線の影響なし」の主張も
厚生労働省の「第19回原爆症認定制度のあり方に関する検討会」が2013年2月21日、同省会議室で開かれました。
神野直彦座長は、前回検討会で論議された「グレーゾーン」の考えを議論にのせようとしました。
「グレーゾーン」の考えは、起因性についての認定基準の外に、新しい基準を設けたらどうかというものですが、これには「科学的知見」を主張する委員から、放射線影響研究所が2012年12月に発表した「残留放射線に関する見解」を引き合いに出して「この科学的知見を尊重すべきだ」という発言が出され、議論を深めることはできませんでした。放影研「見解」は、「残留放射線の影響はほとんどない」というもので、これまでの裁判で「被爆の実態に合わない」として何度も否定されてきたものです。
「行政の判断に不服のある人は裁判を起こせばよい」という発言もあり、裁判をしなくてもいい制度にするために設けられた検討会の趣旨を理解しない委員もいました。
次回検討会は4月16日午後1時からの予定です。