被爆者相談所および法人事務所
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67年目の被爆者の実情と課題 厚労省と東京都のデータから

 厚生労働省と東京都が、2012年3月末現在の被爆者数(被爆者健康手帳所持者数)と各種手当の受給状況などを発表しました。これは、毎年度公表されているものです。

全国の被爆者の状況

 厚労省が発表した全国のデータをみると全国の被爆者数は21万人余に減り最高時の57%に減少、平均年齢は78歳を超えました。
 被爆者の諸手当受給率は、健康管理手当、医療特別手当、保健手当、特別手当の4種手当の受給者が全体の92%ですが、医療特別手当はわずか4%弱にとどまり、健康管理手当は85%です。
 原爆症認定集団訴訟に敗訴しつづけた厚労省は、2008年4月以降、原爆症認定基準を緩和した「新しい審査の方針」による審査を開始しました。これによって3.5キロ以内の直接被爆、100時間以内に入市した被爆者がガンにかかかった場合などに、医療特別手当が受けられるようになりました。
 しかし受給率は宮城県と山梨県の8.2%が最高。東京など1000人を超える被爆者が住む18都府県と広島・長崎市の受給率は東京の5%を最高にほとんどが3%台で、1%台の県もあります。これらの原因は、制度の啓蒙が不十分であることと、ガンや白血病以外に放射線起因性が「推認」されるとした心筋梗塞、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変も認定するとした新方針に、さらに「放射線起因性が認められる」という条件をつけて、1キロから2キロ程度の直接被爆者だけを認定するという厚労省と医療分科会の審査姿勢にあります。
 このような厳しい条件のなかでも、北海道、宮城の受給率が高いのは、現地の被団協が相談事業を重視していること、集団訴訟に参加し、被爆者の制度を知らせたことによるものと考えられます。

全国の被爆者数
2012年3月末現在 厚労省調べ
都道府県 被爆者数(人) 医療特別手当
受給者数 割合
北海道 417 32 7.7%
青森 67 4 6.0%
岩手 47 2 4.3%
宮城 182 15 8.2%
秋田 38 2 5.3%
山形 47 1 2.1%
福島 86 3 3.5%
茨城 446 9 2.0%
栃木 247 14 5.7%
群馬 163 9 5.5%
埼玉 2,100 68 3.2%
千葉 2,831 85 3.0%
東京 6,758 340 5.0%
神奈川 4,887 178 3.6%
新潟 133 7 5.3%
富山 85 6 7.1%
石川 112 7 6.3%
福井 76 4 5.3%
山梨 98 8 8.2%
長野 145 1 0.7%
岐阜 509 13 2.6%
静岡 728 38 5.2%
愛知 2,499 77 3.1%
三重 498 16 3.2%
滋賀 424 12 2.8%
京都 1,203 46 3.8%
大阪 6,740 287 4.3%
兵庫 4,216 193 4.6%
奈良 719 20 2.8%
和歌山 321 9 2.8%
鳥取 409 7 1.7%
島根 1,505 20 1.3%
岡山 2,099 65 3.1%
広島(広島市以外) 28,926 918 3.2%
山口 3,878 121 3.1%
徳島 242 1 0.4%
香川 449 33 7.3%
愛媛 1,050 40 3.8%
高知 218 5 2.3%
福岡 7,853 250 3.2%
佐賀 1,358 65 4.8%
長崎(長崎市以外) 15,875 430 2.7%
熊本 1,497 92 6.1%
大分 810 20 2.5%
宮崎 623 30 4.8%
鹿児島 1,020 39 3.8%
沖縄 212 5 2.4%
広島市 66,660 3,081 4.6%
長崎市 39,324 1,393 3.5%
合計 210,830 8,121 3.9%

医療特別手当の受給割合は、東友会が独自に計算しました(四捨五入)。

東京の被爆者の状況

 東京都が公表した区市町村別の資料を見ると、平均年齢は77歳、被爆者数は最高時の65%になり、4種手当の受給率は86%です。東京に住む被爆者は全国平均より少し若く、手当受給者は少ないという状況は、変わっていません。
 東京都が区市町村別に整理した手当受給のデータから医療特別手当の受給状況をみると、同数近い被爆者が住む県より東京の区市町村の受給者の割合が少ないところが目立ちます。これらの区市町村では地区の会役員が高齢になり、総会などに参加できない会員の状況を掌握できない、電話入れなどもできない、原爆症認定などについての相談会が開けないことが多く、東友会としての今後の対応が求められます。