東判決受け厚労省と協議 肝機能障害のすべてを認定せよ
東原爆裁判の東京高裁判決確定を受けて日本被団協と厚生労働省は2005年6月1日、原爆症認定にかんする協議をおこないました。
この協議には、被爆者と弁護士ら約70人が参加。厚労省からは、健康局総務課の浅沼一成課長補佐ら4人が出席し、安原幸彦弁護士の司会で進行しました。
最初に、原爆症認定集団訴訟の原告、福地義直さんと練馬H子さんが、国に対する要望を訴え、被爆者で医師の肥田舜太郎さんが、自身の医療体験をもとに放射線被害と被爆者の健康について訴えました。
協議の主要なテーマは2つ。(1)東判決を受けて肝機能障害の認定をどうするのか、(2)日本被団協が出した「あるべき認定基準」を受け止め審査方針を改善する気はあるのか―でした。
これらに対して厚生労働省側は、「今回の東判決は個別事案として認める」、しかし”高度の蓋然性”が必要なので「肝臓関係の専門家による研究班を立ち上げ、審査方針などの新基準を検討する」と回答。弁護団は「判決は『通常人が納得できる程度でよい』とした。判決に否定的な専門家を集めても真っ当な基準はできない」と反論。審査方針の改善とも関連して、日本被団協推薦の専門家を研究班に参加させるよう求めましたが、厚労省はこれを拒否。ただし「公開ヒアリングは考えてもよい」と答えました。
協議は平行線でしたが、8月に2回目の協議を開くことは約束しました。