一人ひとりを大事にして45年 東友会会長 田川時彦
東友会は今年(2003年)、結成45周年を迎えます。1958(昭和33)年の11月16日、新橋の日本赤十字本社講堂に、都内に住む被爆者数百名が参加し、結成宣言などを採択し発足しました。
宣言には、次のような一節があります。「私達はあらゆる階層にわたっていますが、被害者であるという唯一の共通点に立って協力し、お互いの健康を保持し生活を向上させていき、ひいては原水爆のないほんとうの平和にすること、即ち『再びあのような間違いはくりかえしません』という祈りにも似た悲願を守りぬくためにも、純粋に、素朴に、協力したいと決意するものであります」。
この主旨は、会則第3条(目的)にも掲げられ、今日まで常に東友会の団結を守る運動方針に活かされてきたものです。
この結成総会のときには、すでに都内に13地区が「被爆者の会」を結成していて、東友会は最初から地区の会の協議会として出発しました。
東京で被爆者が集まった最初が、第5福竜丸がビキニ水爆で被災した1954(昭和29)年、やはり日赤本社で東大の都築正男博士がおこなった健康診断のときからでした。被爆者が結集する原点が、健康・医療の要求であることも示しています。
東友会は被爆者一人ひとりを大事にしていく運動のなかで45年の歩みをつづけてきました。このすばらしい伝統をこれからも生かしていきたいと思います。