高校生でも何かできないか 成城高校の成城祭 生徒が企画して講演会
2025年9月13、14の両日、新宿区にある成城中学・高校の「成城祭」が開かれ、核兵器の廃絶に向けた講演会と映画「無限の瞳」の上映がおこなわれました。
成城高校は1885年に旧士族らによって創立。陸軍士官学校・陸軍幼年学校への全寮制予備校として多くの高級軍人を輩出しました。現在は完全中高一貫の男子校です。
講演会は、日本被団協のノーベル平和賞受賞を契機に高校生でも何かできないかと生徒会が企画。日本被団協から東友会を紹介された文化祭実行委員会の依頼で村田未知子事務局長が「原爆は人間に何をしたか」のテーマで60分の講演を2日間おこないました。入場者は両日とも20人ほどでしたが、父母や校長、教頭、被爆二世の職員も参加し、「あらためて核兵器廃絶が重要だと認識した」と話していました。
映画「無限の瞳」は、70年前の1955年に当時の生徒が制作したモノクロのドキュメンタリー。主人公は広島の爆心地から1キロ程の近距離、鉄砲町で被爆した千葉亮さん。千葉さんは成城高校に在学していた1954年秋、17歳のときに白血病で倒れました。当時、被爆者に社会的支援はいっさいありませんでした。「この悲惨な現実を世間に訴えなければ」と、当時の生徒会は記録映画の制作を決め、校内から都内・全国へと募金活動を広げました。しかし翌年、千葉さんは18歳で亡くなりました。この映画は70年間途切れることなく毎年の成城祭で上映され続けています。このことを知った彫刻家の西川宗舟さんが「原爆の恐ろしさを永遠に忘れないように」と「平和の像」を寄贈。以後70年間、像は体育館の前に置かれ、教員や生徒らに守られてきました。
