被爆者相談所および法人事務所
〒113-0034 文京区湯島2-4-4平和と労働センター6階
電話 03-5842-5655 ファックス 03-5842-5653
相談電話受付時間
平日 午前10時から午後5時、土曜 午前10時から午後3時

被爆80年 ヒロシマ・ナガサキ原爆パネル展 被爆者の願いを多くの人びとに

 東友会の被爆80年事業の最大の催し「ヒロシマ・ナガサキ原爆パネル展」が2025年8月15日から24日までの10日間、東京都生協連会館で開かれました。主催は、東京の各生協と東友会が参加する「被爆80年東京ピースプロジェクト」。後援は、東京都・広島市・長崎市・中野区でした。会期中の参観者は1500人を超えました。

国連原爆展のパネルすべて

 メインの展示物は、2022年にニューヨークの国連本部ロビーで開催された原爆展パネル48枚のすべて。このパネルは当初、2020年に開催されるNPT(核不拡散条約)再検討会議にあわせて展示される予定でしたが、コロナ禍のため同会議は延期。2年後に展示されましたが、当時の国連には一般市民の入場が規制されていました。このため日本被団協は日本国内での展示をよびかけていました。
 15日のオープニングでは、東友会の家島昌志代表理事が「被爆の実相を伝えたい」と、生協と原爆展の開催を決めた被爆者の思いを伝えながら挨拶。東京都保健医療局の二宮博文疾病対策事業課長と都生活文化局、広島・長崎両市東京事務所の代表などが挨拶しました。当日は、東京MXテレビの取材もあり、家島代表理事がインタビューに対応しました。

東京都の二宮課長が壁際の展示物の前に立ち、囲むように置かれた椅子に着席する参加者に向かってマイクを使って話している。壁に展示されたパネルも写っている。
挨拶する東京都の二宮課長
会場内、展示されたパネルを背景にテレビカメラに向かって立ち、マイクを使って話す家島代表理事。
取材に応える家島代表理事

伝わっている実感 受け止める若い世代の反応に感動

 会議室をぶち抜いた広いフロアに展示されたパネル群の前では、写真の迫力に思わず目をそらした高校生、パネルを丁寧に読んでいる女性のグループ、説明を熱心にメモする小学生、母親の袖を引っ張って説明を求める女の子、4人の子どもを連れて参観した親など、若い世代に被爆者の願いが伝わっていると感じた10日間でした。

壁に横並びに展示されたパネルをそれぞれに見ている人6人が写っている。
真剣なまなざしで写真パネルに見入る人たち
1枚のパ根雨の前に立つ人が、パネルを指さしながら、小学生くらいに見える子どもたち2人と一緒に見ている。パネルの意味はまだわからないであろう小さい子が1人、ベビーカーに乗せられている。
親子連れの参観者も多く
パネルの前に立ち、小さいメモ帳に何か書き込んでいる、小学生と思われる子ども。
熱心にメモをとる少年

パネル以外の取り組みも

 エレベーター前のロビーには、「さわってみてください」と書いた原爆瓦の展示、折り鶴のタペストリーを作るための折り紙コーナー、感想を木の葉のシールに書いて大きな木を完成させるためのコーナーが用意され、被爆証言などのDVDのの視聴コーナーも設けられました。
 パネル展の受付・案内などは、東京の各生協と東京都生協連事務局メンバーが対応。開催期間中、壁に掛けられたパネルや折り鶴タペストリーが落ちるというアクシデントにも、生協連事務局が迅速に対応していました。

座って話ができる、角の丸い5角形のテーブルと椅子の組が2つある。1つには3人の人が座って話している。液晶テレビの前に椅子が並べられた場所では、10人くらいの人が映像を見ている。
ビデオ証言のコーナーもあるロビー

被爆者との対話を重視

 「被爆者と直接話ができる貴重な機会」と印刷されたチラシを見て希望者が殺到。対話コーナーは協議会役員15人が交代で詰めましたが、「半日で3組と話した。とても励まされた」との声もあり、大忙しでした。
 8月初めにNHKが再放送した「こころの時代」を観て、村田未知子事務局長に「子どもに直接話をしてほしい」と予約をいれてきた人もいました。
 「あらためて、原爆被害の実態を知り、核兵器廃絶への思いが強くなった」(高校生)、「被爆者の方と直接お話ができるなんて、びっくりしました。子どもたちの大切な記憶になってほしいと思います」(3人の子どもと参観した母)など、たくさんの感想が寄せられました。

テーブルの席について会話している被爆者1人と小学生に見える子ども1人。子どもはメモ帳とシャープペンシルを持ってメモしている。テーブルの上に折り鶴の入ったアクリルのケースがある。 小学生に見える子ども3人がソファに座り、向かいの椅子に被爆者が1人座って話をしている。4人とも手には紙の資料らしきものを持っているが、子どもたちは被爆者が持って示している髪をのぞき込んでいる。 1つのテーブルに8人が座って会話している。目印を首から提げた主催側が3名で、うち2名が被爆者に見える。
被爆者と対話する機会を重視した原爆展