被爆80年 ヒロシマ・ナガサキ原爆パネル展 被爆者の願いを多くの人びとに
東友会の被爆80年事業の最大の催し「ヒロシマ・ナガサキ原爆パネル展」が2025年8月15日から24日までの10日間、東京都生協連会館で開かれました。主催は、東京の各生協と東友会が参加する「被爆80年東京ピースプロジェクト」。後援は、東京都・広島市・長崎市・中野区でした。会期中の参観者は1500人を超えました。
国連原爆展のパネルすべて
メインの展示物は、2022年にニューヨークの国連本部ロビーで開催された原爆展パネル48枚のすべて。このパネルは当初、2020年に開催されるNPT(核不拡散条約)再検討会議にあわせて展示される予定でしたが、コロナ禍のため同会議は延期。2年後に展示されましたが、当時の国連には一般市民の入場が規制されていました。このため日本被団協は日本国内での展示をよびかけていました。
15日のオープニングでは、東友会の家島昌志代表理事が「被爆の実相を伝えたい」と、生協と原爆展の開催を決めた被爆者の思いを伝えながら挨拶。東京都保健医療局の二宮博文疾病対策事業課長と都生活文化局、広島・長崎両市東京事務所の代表などが挨拶しました。当日は、東京MXテレビの取材もあり、家島代表理事がインタビューに対応しました。


伝わっている実感 受け止める若い世代の反応に感動
会議室をぶち抜いた広いフロアに展示されたパネル群の前では、写真の迫力に思わず目をそらした高校生、パネルを丁寧に読んでいる女性のグループ、説明を熱心にメモする小学生、母親の袖を引っ張って説明を求める女の子、4人の子どもを連れて参観した親など、若い世代に被爆者の願いが伝わっていると感じた10日間でした。



パネル以外の取り組みも
エレベーター前のロビーには、「さわってみてください」と書いた原爆瓦の展示、折り鶴のタペストリーを作るための折り紙コーナー、感想を木の葉のシールに書いて大きな木を完成させるためのコーナーが用意され、被爆証言などのDVDのの視聴コーナーも設けられました。
パネル展の受付・案内などは、東京の各生協と東京都生協連事務局メンバーが対応。開催期間中、壁に掛けられたパネルや折り鶴タペストリーが落ちるというアクシデントにも、生協連事務局が迅速に対応していました。

被爆者との対話を重視
「被爆者と直接話ができる貴重な機会」と印刷されたチラシを見て希望者が殺到。対話コーナーは協議会役員15人が交代で詰めましたが、「半日で3組と話した。とても励まされた」との声もあり、大忙しでした。
8月初めにNHKが再放送した「こころの時代」を観て、村田未知子事務局長に「子どもに直接話をしてほしい」と予約をいれてきた人もいました。
「あらためて、原爆被害の実態を知り、核兵器廃絶への思いが強くなった」(高校生)、「被爆者の方と直接お話ができるなんて、びっくりしました。子どもたちの大切な記憶になってほしいと思います」(3人の子どもと参観した母)など、たくさんの感想が寄せられました。


