被爆者相談所および法人事務所
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原爆犠牲者慰霊碑 「ノーベル平和賞受賞」の刻銘を追加 石材店とも打合せ

 葛飾区青戸平和公園に設置されている東友会の原爆犠牲者慰霊碑の標柱に「2024年ノーベル平和賞受賞」と刻銘することになりました。協議会役員が、新年の慰霊碑献花の際に決めたもの。被爆80年の「原爆犠牲者追悼のつどい」に間に合うよう6月中には完成する予定です。
 刻銘する位置は、慰霊碑を葛飾区と区民の厚意で2012年に青戸平和公園に移設できた経緯を知らせる標柱の、団体名の下になります。

「石屋冥利につきます」 被爆者支える心意気

 「広島や長崎の墓は遠い。東京でお参りするところがほしい」との被爆者の声に応えて、東友会が慰霊の木碑を品川区にある寺院の墓所に建立したのは1965年8月。「永久的な石碑をぜひ」との声に被爆者と都民に募金を訴えて現在の慰霊碑が完成したのは2年後の67年でした。
 当時の慰霊碑建立の中心になった長尾當代さんの手記には「石材は何軒かとの交渉が折り合わず難渋していたが、和泉家石材店が『人の一生で原爆慰霊碑を建てさせていただけるなんて、実に千載一遇です。石屋冥利につきます』と誠実で厚意に満ちた仕事ぶりで運んでくださった」とあります。同石材店はさらに、分骨を納めるために毎年、会社のある小平市から無報酬で職員を派遣してくれました。
 「日本被団協がノーベル平和賞受賞」のニュースが流れると、和泉家石材店の現在の社長・和泉一男さんがお祝いを持って東友会を訪問。今回の刻銘を依頼すると、刻銘する文字の見本などを持って再び東友会事務所にみえて「費用はお祝いとお考えください。碑はよく管理されていますが、文字に入れた色がはげているところがあるので修正しておきます」「最初にお手伝いさせていただいた父は他界し、私は心臓の手術を受けましたが、慰霊碑のことは(跡継ぎの)甥に話してあります」と語りました。
 石碑建立から58年間。被爆者を支え続けてくださる人たちがここにも――。胸が熱くなった、と対応した村田未知子事務局長は話していました。