被爆者相談所および法人事務所
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被爆者年末見舞い交流会 訪問活動から見える原爆被害を受け止め

 2015年末、東京原水協から贈られた年末お見舞い金は、ほぼ2015年中に各地区で被爆者のもとへ届けられました。その経験交流を目的に2016年2月14日、大塚のラパスホール会議室で「被爆者年末見舞い交流会」が開かれ、東友会から21地区33人、東京原水協から12地区18人が参加しました。
 黙祷の後、東京原水協の橋本博代表理事が開会挨拶し、今回で51回目となる年末お見舞い行動の意義を述べました。
 実践報告では、最初に東京原水協の石村和弘事務局長が6・9行動などによる年間を通じた募金集めの活動を報告しました。
 続いて東友会事務局の村田未知子事務局主任がスライドによる臨場感あふれる訪問記録を紹介。家島昌志事務局長は、各地区から寄せられた報告書に基づいて今回の年末お見舞い行動全体の概要を報告し、被爆者地区の会は役員も高齢となるなかで、年一度の訪問が、体調がすぐれず会の集まりに参加できない会員と面談できる大切な行動になっていることを指摘しました。
 つづいて、世田谷同友会、稲城・稲友会と新宿と東村山原水協から訪問の活動と被爆者の姿が報告され、今後の年末見舞い行動の進め方について、被爆者を支え被爆の実相を残すための地域ネットワークとしても位置づけてほしいという声も出されました。
 最後に、東友会の大岩孝平代表理事が、年末訪問を待っている被爆者の姿を知らせながら閉会の挨拶をおこないました。

一人がマイクを持って発言している。他の参加者は着席し、資料に目を落とすなどしながら聞いている。
住んでいる地域で被爆者をどう支えるかを熱心に話し合った

お見舞い訪問の報告

 お見舞金と編み物は、被爆者地区の会と地域原水協が訪問活動で届けました。「東友」1月号で掲載できなかった報告を紹介します。(順不同)

中野

2015年12月17日、中野原水協事務局長と中野長広会の役員4人は、9人の被爆者を訪問し、長広会からのお菓子を添えて原水協のお見舞い金を届けました。
 介護を受けていて玄関まで歩くのがやっとという高齢被爆者、がんに侵されて寝たきりの方、まだ若いのに造血機能が失われて毎週輸血しなければ生きていけないという重篤な病の方など、涙なしにはお話を聞くことはできませんでした。
 原水協のみなさんの貴重な募金や志をありがたく思うとともに、少しでも困難を抱えた被爆者の生きる励みになればと願わずにいられない一日でした。(家島昌志)

訪問先の方と訪問者が会話している。
お見舞いの菓子を添えて(中野)

江東

 2015年12月26日、江東原水協3人と江友会6人が二手に分かれ、電話連絡済みの8人のうち7人を訪問。残る1人は27日に江友会の2人が訪問しました。
 すべて足腰の不自由な方で、エレベーターのない住宅では上り下りに不自由されているようでした。食料品の買い物も宅配を利用している方がいました。
 一方、趣味などに打ち込んでいる人もいて、以前に撮影した写真をパソコンで整理している人、墨絵や書道を展示会に出展される人など、前向きに生きておられる姿には励まされました。
 気になったのは、年金が少なく各種保険料を支払うのがたいへんで、区役所に生活保護の相談をしたら「健康管理手当をもらってるでしょう。それで生活するように」と言われた方がおられたことです。(森貞士)

直径1.5メートルくらいの円形の椅子に腰掛ける訪問者と訪問先の方。
施設入居者を訪問(江東)