ヒロシマ・ナガサキ被爆70年 核兵器も戦争もない世界を後世に
あやまちを繰り返さないために
私たち被爆者は、原爆被害の実相を語り、苦しみを訴えてきました。身をもって体験した“地獄”の苦しみを、二度とだれにも味わわせたくないからです。
「ふたたび被爆者をつくるな」は、私たち被爆者のいのちをかけた訴えです。それはまた、日本国民と世界の人々のねがいでもあります。
核戦争起こすな、核兵器なくせ!
原爆被害者援護法の制定を今すぐに!
この願いが実ったとき、被爆者は初めて「平和の礎」として生きることができ、死者たちはようやく、安らかに眠ることができるのです。
人類が二度とあの「あやまちをくり返さない」ためのとりでをきずくこと。――原爆から生き残った私たちにとってそれは、歴史から与えられた使命だと考えます。この使命を果たすことだけが、被爆者が次代に残すことのできるたった一つの遺産なのです。
「原爆被害者の基本要求」(1984年11月・日本被団協)から
被爆70年の2015年、被爆者健康手帳を持つ被爆者は最高時(約37万人)の半数、平均年齢は80歳になります。2015年の幕開け。東京の被爆者と支援者は、70年前の空襲で廃墟と化した浅草に立ち、「2015年こそ核兵器廃絶の確かな道程が刻める年に」と、浅草寺に参拝する人びと、国内外からの観光客に訴えました。