被爆70年を迎えるにあたって
一般社団法人東友会代表理事 大岩孝平
1945(昭和20)年8月6日広島、9日長崎への、あの忌まわしい原爆投下から70年目の年が明けました。
私たち被爆者は、あの地獄の中、人間らしさからほど遠い死を余儀なくされた犠牲者の魂の叫びを背負って、生かされてきたのだと思います。
日本はこの70年間、戦争をしていない、世界でも数少ない国です。それは、日本国憲法という箍があったからです。最近、この箍をはずそうという動きがみられます。2013年末の特定秘密保護法にはじまり、2014年の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認などが挙げられますが、日本が戦争をしない国であることを謳った憲法の箍をはずすことは絶対に許されません。先の戦争で犠牲となった命を軽んじることになるからです。命を慈しみ、平和憲法のこころを重んじる日本を、子孫に引き継いでいこうではありませんか。
東友会は被爆70年事業として、大きな4つの企画をたてています。
核兵器廃絶への道をいっそう確かな方向へ前進させ、原爆症認定をはじめとした被爆者援護施策の改定を、原爆被害への国の償いを土台にすえた抜本的な法律改正へと押し進めましょう。
ノーモア・ヒバクシャ東京訴訟も最終段階を迎えます。全面勝利を勝ちとりましょう。被爆70年の2015年が、私たち被爆者と国民にとって明るい節目の年になるよう力を合わせましょう。
生かされて被爆地に立つ雲の峯
旅人木