「核兵器の非合法化・廃絶」34カ国共同声明 日本政府は賛同拒否
日本被団協は「政府は核廃絶の先頭に立て」と要求
2012年10月22日、国連総会第1委員会で、核兵器の非人道性から、非合法化・全面廃絶を求める34カ国の共同声明が発表されました。
これは、スイス、ノルウエー、タイ、マレーシアなど34カ国がまとめたもので、バチカンもオブザーバーとして参加しました。
日本政府は、「アメリカの『核の傘』の下にいるわが国の核政策に反す」”として署名を拒否しました。
非人道兵器は全面廃絶 日本は「軍縮」だけ
34カ国声明では、「核兵器には人類の生存に脅威となる破壊力があり、核兵器が存続する限り、人類への脅威は残る」「いかなる状況下でも核兵器が二度と使用されないことが何より重要だ。このことを保証する唯一の方法は、核兵器の完全な廃絶である」と述べています。
一方、日本政府が提出したのは一般的な「核軍縮決議」案で、これには核保有国のアメリカ、イギリスも共同提案国になりました。
日本被団協が抗議声明 東友会理事会怒りの討論
日本政府が34カ国声明への参加を拒否したことについて、日本被団協は10月23日「日本政府は核兵器廃絶の先頭に立て」と題する声明を発表。東友会は11月8日の理事会で討論しました。理事からは「アメリカの『核の傘』の下にいるからと日本政府は言うけれど、ノルウェーやデンマークはNATOに加盟し、アメリカの『核の傘』の下にいるにもかかわらず、核兵器廃絶を言っている。唯一の被爆国として、毅然とした態度で核兵器全廃を言って欲しい」「日本政府は、今からでもいいから声明に賛同してほしい」といった意見が出されました。
2013年3月オスロで会議
この34カ国声明が強調している核兵器の非人道性をさらに明らかにするため、2013年(2013年)3月4、5の両日、ノルウェーの首都オスロで「核兵器使用の人道的影響」をテーマにした政府レベルの国際会議が開かれます。
世界のNGO組織「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)も、その前日の2、3の両日に、オスロで会合を開き、核兵器の非人道性について被爆者からの意見を聞くことにしています。
日本被団協は11月14日、港区麻布のノルウェー大使館を訪ね、ビヨーン・ミットゥン公使参事官に、オスロ会議の成功と、日本被団協代表の声を聞いて欲しいと要請しました。
同参事官は、自国政府に被爆者の要請を伝えると約束しました。