厚労省 原爆症認定制度「検討会」 現行制度の枠組み維持を蒸し返し
厚生労働省の「原爆症認定制度の在り方に関する検討会」の第9回目が2012年2月24日、厚生労働省省議室でおこなわれました。この日、日本被団協は「原爆症認定制度のあり方に関する日本被団協の提言」という文書を提出、原爆症認定制度の廃止、全被爆者に被爆者手当を支給すること、障害のある人については、障害の程度に応じて3区分に分け、政令で手当額をきめることなどを提言しました。
ところが厚生労働省側は、検討会で事前の検討もしたことがない「当面の議論のポイント」と題する文書を提出、この文書に沿った議論を求めてきました。この文書は、「被爆者に手厚い援護を行うだけの理由が必要」とか「放射線による疾病の発生の蓋然性の高さ」が必要とか、原爆症は「国が認定するのが妥当」とか、「一般の高齢者との均衡」を踏まえることが必要などといっています。
日本被団協は、記者会見で、厚生労働省提案は、最高裁や各種判決、基本懇答申で明確にされている理念を無視し、現行法改正ではなく現行法の枠内に対応をとどめることと、現行法の水準を引き下げることを意図したものときびしく批判、今後の検討会に臨むことを表明しました。