東友会医療講演会 「高齢になっても被爆者が元気で生活するために」
長生きして原爆被害の実相を語りつづけよう 懇切丁寧で詳しい講演が大好評
2009年10月18日、東友会の医療講演会が豊島区勤労福祉会館で開かれ、被爆者など44人が参加しました。講師は、被爆者医療を積極的にすすめている東京民医連の理事長としても活躍された大場俊英医師。今回のテーマは「高齢になっても被爆者が元気で生活するために」でした。
新型インフルエンザの話から老化の話まで多彩に
はじめに、北区の被爆者の会「双友会」の会長でもある飯田マリ子東友会会長が、地元北区で30年以上、被爆者の健康管理に尽力されている生協北診療所所長の大場医師を紹介。講演は、いま大問題になっている新型インフルエンザの話題からはじまりました。大場医師は、予防の方法、季節性インフルエンザと「新型」との違い、ワクチンの優先順位から注射の回数、副作用、料金にもふれ「被爆者は免疫低下が推測されるので予防注射を受けた方がよい」という貴重なアドバイスもありました。
さらに、寝たきりの原因の第3位になっている骨折をひきおこす転倒の予防、死因の第4位になる肺炎の注意、皮膚のかゆみ、難聴、視力低下、認知症など、高齢化した被爆者が日常的に注意すれば防げる健康上のポイントから老化への対策について、ていねいな説明がありました。
活発な質疑に明快に回答、参加者の半数が感想文
身近な問題がテーマとあって次々と出される質問にも大場医師はてきぱきと回答。「身近で日常生活にかかわるお話が聞けて、たいへんに参考になった」「老人性健忘症のお話を聞いて、安心できた」「楽しくわかりやすい講演」「今後もぜひ」など、参加者の半数が感想文を寄せました。
最後に大岩孝平事務局長が「このアドバイスを生かして元気に生き、核兵器の被害を語り続けましょう」とまとめ、大場医師への大きな拍手がわきました。