被爆者相談所および法人事務所
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300号記念特集3
これからも待ち望まれる「東友」に

新たなステップへすすむ「東友」をめざして

 「東友」の300号は、東友会運動にとっても1つの節目を刻む号となりました。
 永年続いてきた自民党政権が民主党政権へと代わったこと、原爆症認定問題では原爆医療法以来変わることなく被爆者を苦しめてきた認定制度が大きく変わったという節目とも軌を一にしています。
 何よりも、被爆者の悲願である核兵器廃絶問題で、オバマ米大統領が「核のない世界」へ向かう演説をし、それに対してノーベル平和賞が授与されたこと、2010年の核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議の成功をめざす運動が大きな高揚を迎えていることも、今日の情勢の特徴となっています。

運動に応えられる新聞に

 現在、「東友」の編集を担当している渉外広報委員会は、東友会がこうした情勢に応える運動をすすめるためにも「東友」の役割が重要だと考えています。
 渉外広報委員会は、「東友」編集スタッフを依頼し、編集会議を毎月開いて企画を練り、原稿執筆や写真撮影などの役割を分担して、充実した「東友」を作るためベストを尽くそうと話し合っています。
 基本は、被爆者の最大の責務である「被爆の実相普及」です。被爆者運動の先輩たちがそうしてきたように、これが「東友」の、ひいては東友会の運動を広く伝える上でのかなめです。
 そこで、2010年1月号から長期連載で、東京にある原爆被爆関連の施設巡りを企画中です。原爆コーナーを特設している図書館、原爆殉難慰霊碑や慰霊施設、核兵器の悲惨を刻み込んだお地蔵さんや施設などを紹介し、被爆の実相普及に役立てられればと願っています。また、2010年2月には、都庁の展望室で原爆展が予定されています。5月にはニューヨークの国連本部で日本被団協の原爆展が開催されます。
 原爆症認定問題では、8月6日に調印された「確認書」の具体化と、認定申請の滞留問題の解決へ向けての行動があります。裁判では、集団訴訟第2次、第3次の審理が東京地裁で続きますし、来春には第2次訴訟の判決が予定されています。
 NPT再検討会議に向けての活動、帰国後の報告活動などの紹介もあります。

みんなで作る「東友」

 「東友」はみんなの新聞です。何もないところから手探りで始まった新聞作り――。被爆者自身の努力はもちろん、さまざまな援助や励ましがあってここまで来ることができました。今後も、「地区だより」の寄稿や「猫の手会」への参加など、みなさまのご支援・ご協力を引き続きお願いいたします。

「東友」が読み続けられるように 300号を機会に体裁を変更しました

 50年の歴史を持つ「東友」は、節目節目で紙面の刷新を図ってきました。300号を迎えるにあたり、紙面の体裁を変更しました。最大の特徴は、本文活字を大きくしたことです。6年前(2003年)にも同様に文字サイズを変更しましたが、それ以降さらに被爆者の高齢化がすすんでいることを考慮し、本文活字としては最大級の文字に変更しました。全体の枠組みはこれまでの形式を踏襲していますが、文字の変更にともない、字詰め・行間などが若干変わっています。
 少しでも多くの被爆者に、少しでも長く読み続けていただきたく、東友会は今後も、専門家の協力を得ながら、紙面の充実・改善に努めてまいります。

「東友」100号
100号(1988年1月)一面は、被爆者援護法制定を求める3000人の大行動。
「東友」200号
200号(2001年6月)一面は、日本被団協がノーベル平和賞に推薦されたことを誇り高く報じました。

300号記念特集ページもくじ

  1. 被爆者の声を、東友会の運動を、伝え続けて50年
  2. 「東友」はどのように作られているのか
  3. これからも待ち望まれる「東友」に(このページ)