被爆者相談所および法人事務所
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300号記念特集2
「東友」はどのように作られているのか

最初から最後まで被爆者が作業に参加

 緑色の新聞「東友」――。事務局で版下を作るようになって、他の印刷物とまぎらわしくないようにと東友会のシンボルカラー緑色の紙面にしたあと、「緑色の新聞を読んだので…」「あの緑の新聞に書いてあった…」という声が増え、いまでは「東友」のシンボルカラーにもなりました。
 「きょうの裁判を傍聴したいのですが」と「東友」を読んで朝一番に問い合わせ電話。「記事を読んだんですが、母も原爆症と認定されるでしょうか」と相談をよせる被爆二世。「郷里に帰るのですが、あの緑の新聞送ってもらえますか」の問い合わせ。同封した署名用紙に署名して「少しでもお役に立てば」と1000円札をしのばせてくる被爆者…。
 読者をつなぎ、運動をひろげている新聞「東友」。その企画から作成、印刷、発送の流れを、スタッフやボランティアの奮闘ぶりを、「東友」300号の特集として紹介します。

(1)毎月の編集会議で企画を検討します

 毎月の「東友」の企画は、「編集会議」で相談。メンバーは、渉外広報委員長の山本英典副会長、委員の大岩孝平事務局長、伊藤雅浩多摩南部ブロック代表と村田未知子事務局主任。編集スタッフは、東友会理事の森貞士さん(江東区)、籾倉積さん(杉並区)、佐藤修さん(練馬区)。写真や俳句が趣味、マスコミ出身者など経歴も様ざま。編集会議は月1回。前月号の批評・反省と、その月の行動や集会の記事や写真の担当を決めて分担します。
 年2回ベージュ色の「東友」になる1月と6月は、東京都委託事業刊行物「常緑樹」や「相談のしおり」を同封。増ページの「東友」になるので、特集の企画を前々から考えます。
 編集会議の連絡は、いまでは電子メールが主。「今度の集会の写真お願いします」と送信すれば、「了解。準備します」と編集スタッフから返信。コンピュータと携帯電話を駆使しています。

「東友」の編集方針や企画を話し合う編集会議

(2)編集会議の方針にもとづき実務作業

 実務作業がはじまるのは、毎月半ば。編集業務を委託しているフリーランス編集者の鍋島聖民さんが、編集会議で決まった方針に即して割り付けを作り、実務責任者の村田主任が写真や記事の担当者に詳細を伝えます。
 記事を書く中心は、山本委員長と村田・的早克眞事務局員。限られた字数で必要な内容が伝わる記事になるよう、いつも努力しています。
 毎月のコラム「えんぴつ」は、役員や編集会議のメンバーが交代で書いています。毎号、作者の愛称が最後に入ります。よく俳句が入るのは大岩さんと伊藤さん。写真撮影は、森さん、伊藤さん、籾倉さんが自前のカメラを持ち出し、慰霊祭や研修会・医療講演会などで腕をふるいます。そろった記事、写真、図表などは、鍋島さんが紙面ごとに調整し、コンピュータ上でまとめ上げます。発行日の数日前には、編集委員総出で校正作業。電子メールやFAXで届いた校正ゲラを自宅でチェックしたり、東友会事務所に集まって作業することも。
 できあがった紙面は、完全データで印刷所(陽光堂印刷)に渡されます。同社の森次男社長には、写真の製版を別に頼んでいた頃、緑色の紙でも写真がきれいに出るようにと、特別な業者に頼んで印刷に工夫をしてもらったこともあります。2001年から記事の一部はウェブサイトにも載せています。

編集画面
原稿執筆、写真処理、レイアウトなどは、すべてコンピュータで
東友会事務所での打ち合わせ
印刷所と綿密に打ち合わせ

ひとくちメモ 最新技術を活用

 「東友」の製作実務は、昔は手で原稿を書き、印刷所で活字を拾い、写真はプリントに指定をつけて出稿、何度かの校正を経て仕上げていました。現在は、完全にコンピュータ製作になっています。ワープロで書いた原稿、デジカメで撮影した写真は、すべてデータとしてコンピュータ上で処理され、最終的に「東友」の紙面と同じ形のデータを印刷所に出稿して、印刷・製本してもらっています。東友会は、最新技術を積極的に取り入れ、効率的に「東友」を製作しています。

(3)「地区だより」など地区の会の通信も

 都内44の地区の会の様ざまなとりくみが「地区だより」として届けられます。
 東友会の活動を支えている地区の会の活動が、毎月生き生きした被爆者の姿とともに紹介されると好評です。
 実は、「東友」編集スタッフは、この地区だよりの常連の一人で胎内被爆者という若手中の若手、練馬の佐藤さんにもお願いしています。地区の会の活動の視点をぜひ「東友」編集に加えたいという渉外広報委員会が、地区の会に依頼してメンバーにくわわってもらいました。

j「地区だより」のページ写真
地区の会でとりくんだことは、ぜひ「地区だより」へ寄稿を

(4)発送名簿の管理、宛名印刷も自前で

 発送名簿の管理を担当するのは、事務局員の八木下博さん。事務局には毎日のように電話や手紙で購読依頼や打ち切り、転居の連絡などが入ります。賛助費等の郵便振替用紙もチェックし、常に名簿を整理してコンピュータに打ち込んで、最新の状態にしています。
 このデータから、毎月4000枚、1月と6月は9000枚の封筒に宛名を印刷します。6年間使った「宛名プリンター」の故障が増えたため、今月から新機種に変えました。この新機種、通常の「東友」の封筒なら1時間程度で印刷するとか。昔は宛名作りだけで何日もかかったことを考えると、ずいぶん進歩したものです。

宛名印刷機の運転の様子
宛名も最新機で自前印刷

(5)1日がかりの発送 「猫の手会」が尽力

 発送は被爆者のボランティア作業グループ「猫の手会」が担当。現在のメンバーは36人ですが、これまで「猫の手会」のメンバーになって活動した被爆者は130人を超えます。
 現在は、責任者の中川夏代さん(大田区)を中心に、毎月20人くらいが集まって、新聞を折り、同封物とあわせて封筒に入れて糊付けします。通常号は朝10時から午後3時頃までの作業、1月と6月の大量発送のときは同じ時間帯で3日間連続の作業になります。
 ページ数や同封物が多いときは、折り作業が大変ですが、大事な情報を読者に届けるためにと、みんながんばって作業しています。

「猫の手会」の作業の様子
発送作業は「猫の手会」が大活躍

ひとくちメモ 「猫の手会」とは?

 「猫の手会」が結成されたのは1984年7月。名前の由来は、東友会の日常作業を手助けする「猫の手」の意味から。でも単なる作業グループではありません。会ができた頃には、「猫の手会」メンバーが会長になって、千代田区と町田市に地区被爆者の会がつくられました。新聞を折りながら自治体の助成金や見舞金を請願する運動の交流をしたり、手当の申請を進めたり、広島・長崎の話をしたり、メンバーには楽しい交流の場にもなっています。

(6)読者の手元にとどく「東友」

 「東友」は、50グラムまでは1通15円の「低料第3種郵便物」の認可を受けています。そのため封筒は、郵便番号ごとに分け、束ねて、それぞれの通数を一覧表に記入した書類を整えて本郷郵便局に差し出します。
 このあとは郵便局のお仕事。都内なら早いところは翌日にも、読者のみなさんの手元に届きます。
地区の会のニュースといっしょに発送する地区は、もう少し日数がかかることもあります。

300号記念特集ページもくじ

  1. 被爆者の声を、東友会の運動を、伝え続けて50年 過去・現在・未来をつなぐみんなの新聞に
  2. 「東友」はどのように作られているのか(このページ)
  3. これからも待ち望まれる「東友」に 新たなステップへすすむ「東友」をめざして