年末見舞いに476人分95万円 東京原水協が東京の被爆者に
「被爆者に年末見舞金を贈るつどい」が2003年12月20日、東友会と東京原水協との共催で、134人(うち被爆者は38地区87人)が参加して、東友会のある平和と労働センターホールで開かれました。
東京原水協を代表して柴田桂馬代表委員が、「毎月の核兵器廃絶・被爆者救援6・9行動などで集めた募金のなかから、2004年は476人分95万2000円を贈ることができてうれしい。募金は都民と被爆者との架け橋」とあいさつ。東友会の藤平典会長に見舞金目録を手渡しました。その後、東友会の的早克真相談員が、介護保険と被爆者の介護手当について講演しました。
見舞金訪問活動は、年末に47地区でいっせいにおこなわれ、被爆者に喜ばれました。
お見舞い訪問 地区の報告
亡くなる前日に打ち明けた被爆体験 中野・長広会
中野・長広会は、17人を対象に見舞金訪問をしました。そのうち4人が健康管理手当をもらっていないことがわかり、さっそく、手続きをしました。
2人が亡くなっていました。そのうちの77歳のAさんの奥さんは、「主人は多臓器障害で亡くなりました。結婚して何十年も経つけれど、広島での被爆のことは、一度も話をしてくれませんでした。しかし、亡くなる前の日に、突然、広島へ救援にはいって死体処理をした時のことを、何時間も話してくれました」とおっしゃいました。
被爆者は生涯、被爆から逃れられないと思い、被爆体験を残すことの大事さを痛感しました。(林田照美)
深刻な介護の現実 娘75歳が母98歳を… 豊島・豊友会
豊島・豊友会は、原水協の方の協力で18人を対象にお見舞い訪問をしました。
現在介護保険制度を利用している人は14人で、「要介護度5」が2人もいらっしゃいました。
被爆者の他人介護手当受給者が10人、家族介護手当受給者が4人でした。家族介護手当の2人は病状がすすみ、車イスの状態なので、他人介護手当への切り替えをすすめています。
98歳の母親を「この家で最後まで面倒を見ます」といわれた75歳の娘さんの言葉に、頭の下がる思いがしました。
3日間の訪問で、お見舞いを受ける人も配る私たちも、歳を重ねた年月を重く感じました。(山田玲子)
語りつたえの証言 8人が新たに快諾 北・双友会
北・双友会は、12月23日、原水協の役員といっしょに14人の被爆者を訪問し、年末見舞金を届け、喜ばれました。今回は、被爆証言への協力をお願いしたのが特徴です。
北区では、青年たちが2003年10月13日、被爆体験の「聞きとり 語りつたえ」運動にとりくむ”VOICE”(ボイス=声)をつくり、被爆体験を「聞きとる、伝える、支える、広げる」ことで、核兵器を廃絶しよう-と毎月数人の被爆証言をビデオに収録する運動をつづけています。
見舞金訪問のさい協力をお願いしたら、新しく8人が快諾。これまでに証言をいただい方を含め、14人中10人が証言を残すことになりました。(飯田マリ子)