東京都原爆犠牲者追悼のつどい 被爆者からのバトンを受け止めて
一般社団法人東友会が実施主体となっている「2025年度東京都原爆犠牲者追悼のつどい」が2025年7月27日に開かれ、154人が参列しました。
「つどい」の主催は東京都。毎年葛飾区の後援を受け、原爆犠牲者慰霊碑のある葛飾区青戸平和公園に近い、テクノプラザかつしかの大ホールで開かれています。
午後1時半から始まった「つどい」の司会は、東京都生協連の篠田英子さん。黙祷のあと、近年毎年参列している小池百合子東京都知事は式辞で「平和の尊さと原爆の恐ろしさに対する国際社会の理解が一層深まることを願ってやみません」と述べ、家島昌志東友会代表理事は、核兵器禁止条約に背を向ける政府の姿勢を批判し、結びに原爆犠牲者の碑文「われら生命もてここに証す 原爆許すまじ」を読み上げました。
山本雅英広島市東京事務長と渡辺清英長崎市東京事務所長が市長のメッセージを代読した後、青木克德葛飾区長も追悼のことばを述べました。
都民・参列者代表の東京都生協連の秋山純会長理事は、「唯一の被爆国である我が国が、『核兵器禁止条約』の枠組みに一刻も早く参加するよう、被爆者の皆様と心ひとつに声をあげて参ります」「被爆者の皆さんから差し出されたバトンを我がこととして受け止め、次の世代に語り継いでいくことをここにお誓い申し上げます」と述べ、感動を与えました。

小池百合子 知事

山本雅英 東京事務所長

渡辺清英 東京事務所長

青木克德 区長

秋山純 東京都生協連会長

家島昌志 代表理事
参列者は白いカーネーションを手に、原爆死没者の名前が読み上げられるなか献花しました。
「つどい」の最後に、ノーベル平和賞受賞について日本被団協の濱住治郎事務局長・東友会理事が映像を使って報告。参列者からは「核兵器なくせと訴え続けてきたことが世界に認められた」「被爆者の長年の運動が評価されて嬉しい」との声がある半面、「被爆者運動を中心になってすすめてきた被爆者はほとんど亡くなった。もう少し早く授賞してほしかった」との声もありました。
「つどい」の企画と運営は、東京都生協連、東京原水協、東京被爆二世・三世の会(おりづるの子)と東友会が参加する追悼のつどい実行委員会が担当。当日の進行、受付、案内、献花の誘導などは、東京都生協連や被爆二世、東京原水協の人びとが分担しておこないました。
「スムーズに案内してもらって助かった」「歳をとったから座っていれば参列できるのはありがたい」など、被爆者や遺族に感謝されていました。

節目の年の慰霊碑献花式 「ノーベル平和賞受賞」の刻銘も完成
毎年、追悼のつどい実行委員会が企画している原爆犠牲者慰霊碑への献花式は、猛暑が続くことから代表の献花だけに短縮することにし、都民代表として東京都生協連の樽井美樹子専務理事、長崎派遣遺族代表・山下和宏さんが献花を担当。「追悼のつどい」に参加する被爆者や遺族、東京都生協連や東京原水協、おりづるの子の人びと50人ほどが参加しました。
東友会の慰霊碑には、東友会の原爆死没者名簿に遺族が記載を希望した9443人が眠っています。
東友会は、慰霊碑の銘文に新しく「2024年ノーベル平和賞受賞」の文字を追記しました。これは原爆死没者と被爆者を支える人びとの力でノーベル平和賞を受賞できたことをしるすためです。作業には、慰霊碑を製作した和泉家石材店がボランティアで協力しました。
東友会の慰霊碑は品川区の寺院の境内から2012年に葛飾区の支援で青戸平和公園に移設されました。慰霊碑が公共の公園内に移設されたことから、2013年以降正式に東京都が主催者となり、近年は都知事も参加し式辞を述べてきました。
しかし、屋外での催しは天候に左右される場合もあること、都知事の日程調整もあることから、2014年から慰霊碑に近いテクノプラザかつしかで、毎年7月の第4日曜日に「つどい」を挙行することにしています。


「追悼のつどい」「慰霊碑献花式」にご参列いただいた方がた(敬称略・順不同)
2025年度の「追悼のつどい」と「慰霊碑献花式」には、国・都・区の議員、自治体関係者をはじめ、各界から多くの皆様にご参列をたまわりました。紙幅の都合で、遺族・被爆者以外の来賓を掲載し、お礼に代えさせていただきます。また、実行委員会構成団体の東京都生協連、東京原水協、おりづるの子、東友会の方がた、主催者である東京都保健医療局の職員の方がたも割愛させていただきました。ご容赦ください。
小池百合子(東京都知事)、猪口幸子(衆議院議員・維新)、円よりこ(衆議院議員・国民民主)、くしぶち万里(衆議院議員・れいわ)、塩村あやか(参議院議員・立憲民主)、山添拓(参議院議員・共産)、小川ゆうた(都議会議員・都民)、平田みつよし(都議会議員・自民)、竹井ようこ(都議会議員・立憲ミネ無)、岩永やす代(都議会議員・立憲ミネ無)、北口つよし(都議会議員・公明)、ときざき直行(都議会議員・国民)、望月まさのり(都議会議員・参政)、三戸あや(都議会議員・自守)、漢人あきこ(都議会議員・無〈グリーン〉)、さとうさおり(都議会議員・無〈や会〉)、山本雅英(広島市東京事務所長)、渡辺清英(長崎市東京事務所長)、河村孝(三鷹市長)、島村高彦(豊島区議会議長)、沢田孝康(東久留米市議会議長)、青木克德(葛飾区長)、下山しんいち(葛飾区議会副議長)、秋本とよえ(葛飾区議会議員・自民)、安西まさのぶ(葛飾区議会議員・自民)、梅沢とよかず(葛飾区議会議員・自民)、峯岸良至(葛飾区議会議員・自民)、岩田よしかず(葛飾区議会議員・公明)、小山たつや(葛飾区議会議員・公明)、清水こういち(葛飾区議会議員・公明)、細木まこと(葛飾区議会議員・公明)、山本ひろみ(葛飾区議会議員・公明)、うてな英明(葛飾区議会議員・区民連合)、門脇翔平(葛飾区議会議員・区民連合)、かわごえ誠一(葛飾区議会議員・区民連合)、中村けいこ(葛飾区議会議員・区民連合)、米山真吾(葛飾区議会議員・区民連合)、片岡ちとせ(葛飾区議会議員・共産)、木村ひでこ(葛飾区議会議員・共産)、三小田准一(葛飾区議会議員・共産)、沼田たか子(葛飾区議会議員・みらい葛飾)、夏目佳代子(葛飾区議会議員・みらい葛飾)、秋山純(東京都生協連)、樽井美樹子(東京都生協連)、橋本好美(東都生協)、川名明子(東都生協)、永谷聖子(東都生協)、小菅直子(東都生協)、三橋丈晴(パルシステム東京)、成瀬悠(パルシステム東京)、大井康成(コープみらい)、鷺谷朋子(コープみらい)、守本香(生活クラブ生協)、内藤雅義(弁護士)、赤羽恵(はたがや協立診療所)、塚本晴彦(中野共立病院)、市田真理(第五福竜丸平和協会)、菅野勝祐(葛飾区労連)、矢吹義則(東京地評)、清水浩介(東京地評)、佐藤学(日本原水協)、井上昭(葛飾原水協)、加藤千鶴子(新婦人葛飾)、永堀トミイ(新婦人葛飾)、八木良広(昭和女子大学)、村上美奈子(立正大学)、太田昌克(一般)、夏目侑子(一般)、後藤めぐみ(一般)、天羽行弘(一般)
「生命もてここに証す」 2025年度版を刊行
東友会は2025年も「追悼のつどい」にあわせて、『生命もてここに証す 2025年度版』(B5判40ページ)を刊行しました。
2025年は被爆80年という節目にあたるため、「追悼事業に込められた被爆者の思い」と題して東友会の追悼事業全般をふり返る企画になっています。慰霊碑の建立、慰霊祭・追悼のつどいの開催、墓参団の活動など、東京の被爆者が取り組んできた追悼事業の歴史をまとめました。同冊子を希望される方は、東友会まで。
