被爆者相談所および法人事務所
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【訃報】 東友会前代表理事 大岩孝平さん

 2023年3月7日、肝硬変のため死去。享年90歳。13歳のとき広島市段原町の自宅で被爆しました。
 2001年から、三鷹・三友会から東京都原爆被害者協議会理事に登録され、22年間被爆者運動に参加。社団法人東友会では、2005年に法人理事、2013年に常務理事、法改定により一般社団法人に替わった後は業務執行理事に就任。2013年から2019年まで代表理事を務めました。
 美食家で日本酒を好み、役員や事務局員と酒席で楽しく語らう姿がよく似合う、魅力的な代表理事でした。
 被爆の実相普及と東友会の財政確保には、幅広い人脈を生かして、ライオンズクラブ、ロータリークラブなどに被爆証言の「講話」をおこなうよう依頼。新聞「東友」の購読者を広げました。
 2003年から東友会が進めた原爆症認定集団訴訟とノーモア・ヒバクシャ訴訟では、被爆者組織の立場で弁護団会議に参加。広く傍聴や支援集会への参加を呼びかけ、裁判の傍聴、厚生労働省や国会への要請にも欠かさず参加し、原告を励ましました。
 長く会長を務めていた三鷹・三友会でも、熱心に被爆の実相普及活動に取り組み、三鷹市の「みたかデジタル平和資料館」の立ち上げを実現。このウェブ資料館での被爆証言に参加するよう三友会会員に呼びかけました。さらに、三鷹市教育委員会にも働きかけ、小中学校の生徒にむけた証言DVDの制作にも参加しました。
 海外でも日本被団協代表団の一員として05年のNPT再検討会議が開かれたニューヨークを訪れ、各国の国連大使などに核兵器廃絶の要請をおこない、近隣の学校などで証言活動もおこないました。
 2022年9月、最後に東友会を訪れた際は、いつもの専門店の高級な天津甘栗を事務局員の土産にと持参。「あと10年、東友会が相談事業を続けるために考えなければ」と話していました。

大岩孝平さん